建物の管理者・テナントの方へ

防火シャッターの閉鎖障害を防ぐ|物の置き方と床まわりの確認

降下位置に物を置かないための工夫、床の段差やレールまわりの確認、レイアウト変更のときの注意

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター更新日:
倉庫の通路の上部に防火シャッターが収納され、その下の床が閉鎖のじゃまにならないよう空けてあるイメージ
イメージ画像(AI生成)

防火シャッターは、降りてくる位置が空いていなければ、火災のときに閉まりきりません。

普段は天井に収まっていて目立たないため、降下位置に荷物や台車が置かれていても気づきにくいものです。この記事では、建物の管理者やテナントの方に向けて、閉鎖障害が起きやすい場面と、物を置かないための工夫、床まわりで確認することをまとめます。

閉鎖障害とは何か

防火シャッターは、火災のときに降りて閉まり、炎や煙が広がるのを抑える設備です。普段は天井などに収まっていて、ほとんど目にとまりません。そのため、降りてくる位置に荷物や台車が置かれていても、気づかないまま過ぎてしまうことがあります。

シャッターが下まで閉まるのを妨げる状態を、ここでは「閉鎖障害」と呼びます。消防法では、防火対象物の管理について権原を有する者に対し、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、またはみだりに置かれないように管理することを求めています。防火シャッターの降下位置を空けておくことは、建物を管理するうえでの基本の一つです。

防火シャッターの降下位置(横から見た図)

降下位置に置かれやすいもの

閉鎖障害の多くは、悪気なく置いた物が原因です。次のような物は、気づかないうちに降下位置にかかりがちです。

場所置かれやすいもの
倉庫・バックヤード段ボール箱、パレット、台車、カゴ車、脚立
店舗・商業施設商品の陳列台、ワゴン、のぼりや看板、季節の飾り
事務所・共用部コピー用紙の箱、ごみ箱、傘立て、観葉植物
工場部材の仮置き、ホースや電線のドラム、清掃用具

「一時的に置いただけ」という物ほど、そのまま置きっぱなしになりやすい点に注意が必要です。荷物の多い時期や、棚卸し・イベントの前後は、特に気をつけましょう。

テナントのバックルームで、積んだ段ボール箱が防火シャッターの降りる位置から離して置かれ、その床が空いている様子を低い位置からのイメージ
イメージ画像(AI生成)

床まわりで確認すること

物を置いていなくても、床やレールのまわりの状態によって、シャッターが閉まりきらないことがあります。

  • シャッターが降りる位置の床に、段差やマットの縁、配線を覆うカバー(モール)がないか
  • 床の上に、厚みのあるテープや表示材が貼られていないか
  • 左右のガイドレールの中に、ごみや小石、紙くずなどが詰まっていないか
  • レールの前に、柱巻きの装飾や掲示物がはみ出していないか

マットや配線カバーは、改装や模様替えのときに新しく置かれることがあります。小さな段差でもシャッターの下端が当たって止まることがあるため、設置する前に降下位置を避けられないか確認しましょう。

なお、防火シャッターには、降りてくる途中で人に当たったときに止まる「危害防止装置」が付いているものがあります。床の物に当たって止まった場合も、閉まりきらない状態になります。詳しくは「防火シャッターの危害防止装置とは」もご覧ください。

物を置かないための工夫

閉鎖障害を防ぐには、注意を呼びかけるだけでなく、置かれにくい仕組みをつくることが効果的です。

工夫内容
降下位置を見えるようにする床に線を引く、表示を貼るなどして、降りてくる位置が分かるようにする。表示材は薄いものを選ぶ
置き場所を決める台車や仮置きの荷物を置く場所を、降下位置から離れた所に決めておく
巡回の項目に入れる日頃の見回りや閉店・終業時の確認に、降下位置が空いているかを入れる
入居者・スタッフに伝えるテナントや従業員、清掃や搬入の業者にも、降下位置に物を置かないよう伝える

テナントが入っている建物では、入居時の説明や館内のルールに、防火シャッターの降下位置のことを入れておくと、入れ替わりがあっても伝わりやすくなります。テナントの入居・改装時の注意点は「テナント入居・改装時に注意したい防火シャッターまわり」でもまとめています。

危害防止装置まわりの日頃のチェック

レイアウト変更・改装のとき

売り場の配置換えや事務所の模様替え、間仕切りの工事のあとは、閉鎖障害が起きやすいタイミングです。工事の前と後で、次の点を確かめておきましょう。

  • 新しい棚・カウンター・間仕切りが、降下位置にかかっていないか
  • 床材の張り替えで、降下位置に段差ができていないか
  • 感知器の近くを、間仕切りや天井の造作でふさいでいないか
  • 手動閉鎖装置(押しボタン)の前に、物や什器が置かれていないか

動かせない物がかかってしまった場合は、使い方の工夫だけでは解決できません。管理会社や建物の所有者に相談し、配置の見直しを検討してください。

日本シャッターサービスセンターでできること

日本シャッターサービスセンターでは、防火シャッターの点検・修理、閉まらない・途中で止まるといった不具合のご相談を承ります。防火シャッターの点検・法定の定期検査を行える資格者が複数在籍しています。

降下位置のまわりで気になる点がある場合や、改装の前に防火シャッターの状態を確認しておきたい場合も、ご相談ください。防火シャッターについては「防火シャッター」のページでもご案内しています。

よくある質問

防火シャッターの下に、少しだけなら物を置いてもいいですか?

少しでも降下位置にかかっていると、シャッターが下まで閉まらず、隙間から炎や煙が広がるおそれがあります。小さな物でも、降下位置には置かないようにしてください。

床に線を引いたり表示を貼ったりしてもいいですか?

降下位置を分かりやすくするために、床に線を引いたり表示を貼ったりする方法があります。テープや表示材が厚く盛り上がると、それ自体が閉まるのを妨げることがあるため、薄いものを選び、はがれたら貼り直してください。

降下位置に固定の棚やカウンターがかかっている場合はどうすればいいですか?

動かせない物がかかっている場合は、使い方だけでは解決できません。管理会社や建物の所有者に相談し、配置の見直しを検討してください。改装で配置を変えるときは、工事の前に防火シャッターの位置を確認しておくことが大切です。

まとめ

防火シャッターは、降りてくる位置が空いていて初めて役目を果たします。降下位置に物を置かないこと、床やレールのまわりに閉まるのを妨げるものがないこと、レイアウト変更や改装のあとに確かめることの3つを、日頃の管理に組み込んでおきましょう。

作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。

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