建物の管理者・テナントの方へ
防火シャッターの手動閉鎖装置とは|使い方と日頃の確認
押しボタンの場所と使い方、押したあとの復旧、誤って押されないための工夫、日頃と点検で確認すること

手動閉鎖装置は、人が火災に気づいたときに、その場で防火シャッターを閉めるための押しボタンです。
普段はほとんど使わないため、どこにあるのか、押したらどうなるのかを知らないままの方も少なくありません。この記事では、建物の管理者やテナントの方に向けて、手動閉鎖装置の役割と使い方、押したあとの復旧、日頃に確認することをまとめます。
手動閉鎖装置の役割
防火シャッターの多くは、火災のときに煙や熱を感知器が感じ取り、自動で降りて閉まります。それとは別に、人が火災に気づいたときに、その場でシャッターを閉めるための装置が「手動閉鎖装置」です。
手動閉鎖装置は、感知器が反応する前に早く閉めたいときや、感知器で閉まらなかったときに使います。押しボタンを押すと、シャッターを閉める仕組みが働き、シャッターが降りてきます。

どこにあるか・どんな形か
手動閉鎖装置は、防火シャッターの近くの壁や柱に付いていることが多い設備です。形は製品によって異なりますが、次のような特徴があります。
| 見るところ | よくある形 |
|---|---|
| 場所 | 防火シャッターのそばの壁・柱。シャッターの両側にあることもある |
| 見た目 | 小さな箱の中に押しボタンがあるもの |
| カバー | 誤って押されないよう、透明なカバーやふたが付いているもの |
| 表示 | 「防火シャッター手動閉鎖装置」などの表示があるもの |
普段から、建物のどこに手動閉鎖装置があるかを把握しておくと、いざというときに迷わずに済みます。防火設備の一覧や図面に、場所を書き込んでおくのもおすすめです。
使うときの流れ
火災に気づいて防火シャッターを閉めるときは、次の順番で行います。
- シャッターの下や降下位置に、人や物がないかを確かめる
- カバーやふたを開けて、押しボタンを押す
- シャッターが降りるのを確認し、下には近づかない
- 周りの人に知らせ、建物の避難や通報の手順に従う
防火シャッターには、降りてくる途中で人に当たったときに止まる「危害防止装置」が付いているものがありますが、シャッターの下に入らないことが基本です。詳しくは「防火シャッターの危害防止装置とは」をご覧ください。
押したあとと復旧
手動閉鎖装置でシャッターが降りたあとは、元の開いた状態に戻す「復旧」が必要です。復旧には、連動制御器での操作や、シャッターを巻き上げる作業などが含まれ、手順は建物や製品によって異なります。
火災ではなく、誤って押してしまった場合も同じです。シャッターを無理に持ち上げたり、手順が分からないまま操作したりすると、部品を傷めることがあります。復旧の流れは「防火シャッターが作動して閉まった後の復旧の流れ」でまとめています。手順が分からない場合は、管理会社や保守業者に相談してください。

誤って押されないための工夫
手動閉鎖装置は、人の通る場所の近くにあるため、荷物がぶつかったり、いたずらで押されたりすることがあります。誤って降りると、通路がふさがれたり、営業や作業が止まったりします。
- カバーやふたが割れたり外れたりしていないかを確かめ、傷んでいれば交換を相談する
- 台車や荷物がぶつかりやすい位置にある場合は、通り道や置き場所を見直す
- スタッフやテナントに、押すとシャッターが降りることと、押してしまったときの連絡先を伝えておく
一方で、火災のときにすぐ押せることも大切です。カバーを固定してしまったり、前に物を置いて隠したりしないようにしましょう。
日頃の確認と点検
手動閉鎖装置は、普段はほとんど使わないため、傷みや隠れに気づきにくい設備です。日頃の見回りでは、押さずに次の点を見るようにします。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 場所が分かるか | 前に棚や什器、掲示物がなく、すぐに見つけられるか |
| 表示があるか | 表示がはがれたり、色あせて読めなくなったりしていないか |
| カバーの状態 | 割れ・外れ・固定のしすぎがないか |
| まわりの状態 | 手が届く位置にあり、押す動作を妨げる物がないか |
押して作動を確かめるのは、保守点検や法定の定期検査のときに、点検の担当者が周りの安全を確保して行います。防火シャッターの点検と定期検査の違いは「防火シャッターの保守点検と法定の定期検査の違い」でまとめています。
日本シャッターサービスセンターでできること
日本シャッターサービスセンターでは、防火シャッターの点検・修理、作動したあとの復旧、手動閉鎖装置まわりの不具合のご相談を承ります。防火シャッターの点検・法定の定期検査を行える資格者が複数在籍しています。
押しても降りない、押していないのに降りた、カバーが壊れているといった場合も、状況を伺ってご案内します。防火シャッターについては「防火シャッター」のページもご覧ください。
よくある質問
手動閉鎖装置を押してしまったら、どうすればいいですか?
まずシャッターの下に人や物がないことを確かめ、管理者に知らせてください。降りたシャッターを戻すには、連動制御器での復旧の操作などが必要で、建物や製品によって手順が異なります。無理に持ち上げたりせず、手順が分からない場合は管理会社や保守業者に相談してください。
手動閉鎖装置の前に物を置いてもいいですか?
火災のときにすぐ押せるよう、手動閉鎖装置の前には物を置かないでください。棚や什器、掲示物で隠れてしまうと、いざというときに見つけられないことがあります。
点検のときに、手動閉鎖装置を押して確かめてもいいですか?
押すとシャッターが実際に降ります。作動の確認は、周りの安全を確保し、関係者に知らせたうえで、点検の担当者が行ってください。管理者だけで日頃に確認するときは、押さずに、場所・表示・カバーの状態を見るだけにしておくと安心です。
まとめ
手動閉鎖装置は、人が火災に気づいたときに、その場で防火シャッターを閉めるための装置です。場所を把握しておくこと、前に物を置かずにすぐ押せるようにしておくこと、押したあとは手順に沿って復旧することの3つを押さえておきましょう。