建物の管理者・オーナーの方へ

事業所の電動シャッターで挟まれ・接触事故を防ぐために|安全装置・操作のルール・点検

安全装置の有無を確かめ、操作のルールと点検で事故を防ぐ。付けにくい場合の考え方まで

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター
工場の出入口で、電動シャッターが半分ほど開き、横の壁に操作盤が付いている様子を内側から斜めにのイメージ
イメージ画像(AI生成)

工場や倉庫の搬入口、店舗のバックヤード、事業所の車庫。電動シャッターは、毎日の業務に欠かせない設備です。その一方で、降りてくるシャッターに人が挟まれる事故も起きています。

電動シャッターは、モーターの力で動きます。降りている途中のシャッターは、大人の力でも止めるのが難しいとされています。「いつも動いているから大丈夫」と思っていても、操作する人と通る人の確認がずれた瞬間に、事故は起こります。

事故を防ぐには、設備・操作・点検の3つを組み合わせることが大切です。 この記事では、事業所の設備担当者や総務・安全衛生の担当者に向けて、安全装置の確かめ方、付けにくい場合の考え方、操作のルール、点検の進め方をまとめます。

電動シャッターの事故で起きていること

消費者庁の消費者安全調査委員会は、電動シャッターの動作時の事故について調査し、2018年に報告書を公表しました。消費者庁の注意喚起では、2001年6月から2017年9月末までに、電動シャッターの動作時の死傷事故が28件あり、14人が亡くなり、15人がけがをしたとされています。

調査では、次のような状況が取り上げられています。

  • 操作する人の位置から、シャッターの下が見えていなかった
  • ポケットに入れたリモコンが、意図せず押されて作動した
  • 光電センサーが付いていたが、人の形や位置によって検知できなかった
  • 保守点検がされず、さびたチェーンが切れてシャッターが落ちた

どれも、特別な現場だけで起きることではありません。店舗や車庫、駐車場など、身近な場所での事故です。

事業所では、操作する人が日によって変わったり、交代勤務で引き継ぎが入ったりします。荷物の棚や車両の待機場所が、シャッターの下を見えにくくしていることもあります。「誰が操作しても安全に使える状態か」という目で、設備と使い方を見直すことが大切です。

まず確かめたい安全装置

最初に、今使っている電動シャッターに、どんな安全装置が付いているかを確かめます。

安全装置の付く位置
安全装置 はたらき
座板スイッチ シャッターの一番下の座板が人や物に触れると、止めたり反転させたりする
負荷感知装置 モーターの電流や回転の変化を感知して、止めたり反転させたりする
光電センサー 開口をまたぐ光で人や物を感知する。触れる前に感知できる
急降下防止装置 チェーンが切れたときなどに、急に落ちるのを止める、または減速させる

報告書では、光電センサーは人や物の形や位置によって働かない場合があるとされています。1つの装置に頼らず、操作のルールと組み合わせて考えることが大切です。

また、消費者庁の注意喚起では、20年以上前の古い電動シャッターには、安全装置が付いていないものが多いとされています。製品のラベルや取扱説明書、設置したときの書類で確かめ、分からない場合は点検の際に確認しましょう。業界団体は、既に付いているシャッターにも安全装置を後から付けられるとしていますが、付けられるかどうかは製品と状態によります。

安全装置を付けにくいときの考え方

製品や費用の事情で、すぐに安全装置を付けられないこともあります。報告書や業界団体の資料では、次のような方法が挙げられています。

押している間だけ動く方式に変える

ボタンを一度押すと最後まで動く方式ではなく、押し続けている間だけ動く方式(ホールド・ツゥ・ラン方式)に切り替える方法です。操作する人がシャッターを見ながら押し続けることになるため、異常に気づいたら手を離して止められます。切り替えは専門業者に依頼します。

ツーアクションのリモコンにする

2回の操作で動くリモコンにすると、ポケットの中で誤って押されて動き出すことを防ぎやすくなります。あわせて、リモコンの本数と持つ人、置き場所を決めておくと、誰がどこから操作したかが分かりやすくなります。

見えない場所を見えるようにする

操作する位置からシャッターの下が見えにくい場合は、ミラーやカメラを付けて確認する方法もあります。

対策の順番を決める

出入口がいくつもある事業所では、すべてを一度に見直すのは大変です。人の通行が多い出入口、年数がたって安全装置の有無が分からないシャッター、スイッチから下が見えにくい場所など、危険が大きいところから順に対策を考えましょう。どの方法が使えるかは製品と設置の状態によるため、点検の際に相談すると進めやすくなります。

操作のルールを決めて共有する

設備の対策とあわせて、操作のルールを決め、操作する人全員に共有します。業界団体や消費者庁は、次のような点を呼びかけています。

  • シャッターの下に人や物がないことを確かめてから操作する
  • シャッターが止まるまでそばを離れず、最後まで見届ける
  • 動いているシャッターの下はくぐらない
  • シャッターの下に座ったり、立ち止まったりしない
  • リモコンはポケットなどに入れない
  • 強い風のときは、近づいたり操作したりしない

【やってはいけないこと】

  • 安全装置が働くかを、自分の体を差し入れて試す
  • 止まって困るからと、センサーを外したり、向きを変えたりする
  • ボタンを押したまま、その場を離れる
  • いつもと違う音や動きがあるのに、使い続ける
  • ケースや開閉機のカバーを外して、中を触る

操作スイッチの位置と表示を見直す

報告書では、事故のうち一定の割合で、押しボタンスイッチの位置からシャッターの下が見通せなかったとされています。スイッチの位置は、シャッターの下まで見通せる場所が望ましいとされています。

現場で見直すこと

現場を歩いて、スイッチの前に立ち、シャッターの下が見えるかを確かめてみましょう。荷物の棚や車両の待機場所が、視界をさえぎっていることもあります。スイッチの近くに注意の表示を出しておくと、操作に慣れていない人にも伝わりやすくなります。

防火シャッターがある場合

防火シャッターは、火災のときに自動で閉まる設備で、普段のシャッターとは確認する点が異なります。業界団体は、防火シャッターの危害防止装置について、2005年(平成17年)12月以降に着工した建物では設置が義務づけられたと案内しています。既存の建物での扱いや、定期報告の対象・時期は、建物の状況と特定行政庁によって異なります。

日常点検と定期点検

業界団体は、シャッターには日常点検と定期点検が必要だとしています。日常点検では、次のような点を確かめます。

  • 今までと違う異音や振動がないか
  • 使ううえで問題になる変形がないか
  • 全開・全閉の位置で止まるか
  • 止めたあとに、すべり下りてこないか
  • 注意の表示がはがれていないか

いつもと違うと感じたら、使用を止めて相談してください。業界団体の資料では、専門の技術者による年1〜2回の定期点検が勧められています。点検の記録は、安全装置の有無や部品の状態とあわせて保管しておきましょう。

同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください

設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。

費用が変わる要素と、日本シャッターサービスセンターでできること

安全装置の追加や操作方式の変更は、製品や設置の状態によって内容が大きく変わります。そのため、ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。

費用が変わる要素 内容
今の製品と年数 安全装置を後から付けられる製品か、部品を手配できるか
追加する装置の種類 座板スイッチ、光電センサー、急降下防止装置など
操作の機器 操作方式の切り替え、リモコンの変更の要否
台数と設置場所 事業所内の台数、高所での作業の要否
作業の条件 作業できる曜日・時間帯、入出荷との調整

※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。別途、基本料金や作業の時間帯による料金がかかる場合があります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。

日本シャッターサービスセンターでは、事業所の電動シャッターの点検、修理、部品交換、交換のご相談を承ります。現地で安全装置の有無と状態を確認し、後から付けられるか、交換を検討するかをご案内します。

工場の中二階から見下ろし、電動シャッターの前の床に黄色い線で区切られた何もない区域がある様子のイメージ
イメージ画像(AI生成)

法人のお客様には、作業できる曜日や時間帯を伺い、工事の日時と範囲を整理してからお見積もりします。複数の出入口や拠点をまとめてのご相談も承ります。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。古いシャッターの入れ替えを考える場合は、修理と交換の比べ方も参考にしてください。

ルールを続けるための社内の仕組み

ルールは、決めたあとに続けることが難しいものです。次のような仕組みを作っておきましょう。

事故を防ぐ3つの柱

新しく入った人や応援で来た人には、最初にシャッターの操作のルールを説明します。交代勤務の現場では、引き継ぎの中で確認すると漏れを防げます。ヒヤリとした出来事があったら、小さなことでも共有し、スイッチの位置や表示を見直すきっかけにしてください。朝礼や安全の会議で、シャッターの操作のルールを定期的に取り上げるのも一つの方法です。点検の記録と合わせて残しておくと、次の対策を考えるときの材料になります。

まとめ

電動シャッターの事故は、操作する位置から下が見えない、リモコンが誤って押される、点検されていない部品が切れる、といった状況で起きています。まずは安全装置の有無を確かめ、付いていない場合は後付けや、押している間だけ動く方式、ツーアクションのリモコン、ミラーやカメラといった方法を検討しましょう。

あわせて、下に人がいないかを確かめる、最後まで見届ける、くぐらないといったルールを共有し、日常点検と定期点検で異常に早く気づける体制を整えることが大切です。

修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、工場・倉庫・店舗など法人の建物での工事は「法人向けシャッター工事」、防火シャッターの点検・検査は「防火シャッター」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語

用語 説明
座板 シャッターの一番下に付く部材。閉めたときに床に接する。
座板スイッチ 座板が人や物に触れたことを感知し、シャッターを止めたり反転させたりする装置。
負荷感知装置 モーターの電流や回転の変化から障害物を感知する装置。
光電センサー 開口をまたぐ光で、人や物を触れる前に感知する装置。
急降下防止装置 チェーンが切れたときなどに、シャッターが急に落ちるのを止める、または減速させる装置。
ホールド・ツゥ・ラン方式 ボタンを押し続けている間だけシャッターが動く操作の方式。
ツーアクションのリモコン 2回の操作で動くリモコン。誤って押されたときに動きにくい。
開閉機 電動シャッターを動かすための装置。
危害防止装置 防火シャッターが閉まるときに、人に触れると止まるなどして危害を防ぐ装置。
特定行政庁 建築に関する行政を担う自治体。定期報告の対象や時期を定め、報告を受ける。
作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。施工事例やご相談前の確認事項を掲載しています。

防火シャッターのご相談

点検・検査・修理のご相談は、
建物の状況とあわせてお知らせください。

東京・神奈川・千葉・埼玉での防火シャッターのご相談を承ります。建物の用途と所在地、設置場所と台数を分かる範囲でお知らせください。

検査で指摘された内容、メーカー名、手動・電動の種類などが分かれば、あわせてお知らせください。

お問い合わせフォームへ電話で相談する 0120-168-220LINEで写真を送って相談する