建物の管理者・オーナーの方へ
フォークリフトや車両がシャッターに接触したとき|倉庫・工場の初動と修理の流れ
使用を止める、記録を残す、出入口を確保する。修理の範囲の見極めと再発防止まで

倉庫や工場の搬入口では、フォークリフトやトラックがシャッターに当たってしまうことがあります。バックで寄せたときに荷台がケースに触れた、フォークの先がカーテンに当たった、旋回したときにレールをこすった。きっかけはさまざまです。
当たった直後は、「動くかどうか試してみよう」と考えがちです。しかし、外から見た傷が小さくても、レールのゆがみや巻き取りの部分の不具合が隠れていることがあります。そのまま動かすと、途中で引っかかったり、損傷が広がったりするおそれがあります。
接触した直後は、動かして確かめるより、止めて記録することが先です。 この記事では、倉庫・工場の設備担当者や現場の責任者の方に向けて、接触した直後の初動、記録の残し方、修理までの出入口の確保、修理の範囲の見極め、再発防止の対策をまとめます。
接触した直後にすること
まずは人の安全を確認します。けが人がいる場合は、その対応を最優先にしてください。そのうえで、シャッターまわりの対応に移ります。

シャッターの使用を止める
当たったシャッターは、いったん使用を止めましょう。業界団体も、いつもと違う動きや異音があるときは速やかに使用を中止し、通行を禁止する、誤って操作されないよう表示をする、といった対応を呼びかけています。電動シャッターの場合は、操作盤のそばに「使用禁止」の表示を出し、交代の作業者が知らずに操作しないようにします。
無理に巻き上げない・下ろさない
途中で止まったり、カーテンが波打ったりしていても、力ずくで巻き上げたり下ろしたりしないでください。レールから外れかけたカーテンを無理に動かすと、ゆがみが広がったり、部品が外れたりするおそれがあります。開いたまま止まっている場合も、その下を人や車両が通らないよう、周りへの立ち入りを制限します。
【やってはいけないこと】
- 動くか確かめるために、何度も開け閉めを繰り返す
- 外れかけたカーテンを手やフォークで押し戻す
- 途中で止まったシャッターの下を、人や車両が通る
- ゆがんだレールやケースを、自分でたたいて直そうとする
- 使用禁止の表示をせずに、その場を離れる
記録を残す
使用を止めたら、状況を記録しておきます。記録は、修理の相談で状態を伝えるときに役立ちます。社内への報告や、保険会社への連絡が必要になったときの資料にもなります。

| 記録すること | 内容 |
|---|---|
| 日時と場所 | 接触した日時、どの搬入口の何番目のシャッターか |
| 当たったもの | 車両や荷物の種類、シャッターのどの部分に当たったか |
| 写真 | 全体が入る写真と、傷やゆがみの近くの写真 |
| 止まった位置 | 全開・途中・全閉のどこで止まったか、その後動くか |
| 操作盤の表示 | 電動の場合、ランプや表示がどうなっているか |
写真は、離れた位置からシャッター全体を1枚、レール、カーテン、ケースなど傷のある部分を近くから数枚撮ります。高い場所に無理に近づく必要はありません。床から見える範囲で十分です。
保険を使えるかどうかは、気になる点だと思います。ただし、補償の対象になるかは契約内容と保険会社の判断によります。記録をそろえたうえで、契約先に確認してください。
社内への報告と共有
記録がそろったら、設備の担当者や現場の責任者、総務の担当者など、社内で報告すべき相手に伝えます。誰が修理の窓口になるかを早めに決めておくと、業者との連絡や見積もりの承認が進めやすくなります。交代勤務の現場では、次の勤務の担当者にも、使用を止めていることと理由を引き継いでおきましょう。引き継ぎが漏れると、知らずに操作されて損傷が広がることがあります。
修理までの出入口を確保する
シャッターを止めている間も、入出荷は続きます。修理までの間、どう出入りするかを早めに決めておきましょう。
別の出入口に振り替える
ほかの搬入口や通用口が使える場合は、そちらに入出荷を振り替えます。車両の待機場所や荷さばきの位置が変わるときは、作業者とドライバーに伝え、床の表示やコーンで動線を示します。
閉まらない場合の防犯
開いたまま閉まらないときは、夜間や休日の防犯も考える必要があります。別の扉で区画できるか、見回りの体制をどうするかを、社内で決めておきましょう。シャッターを無理に下ろして閉めようとするのは避けてください。修理の相談のときに、閉まらず困っていることを伝えていただくと、作業の段取りを考えるうえで役立ちます。
修理範囲の見極め
当たった部分だけでなく、つながっている部分にも影響が出ていることがあります。現地では主に次の部分を確認します。
| 部位 | 確認すること |
|---|---|
| カーテン(スラット) | へこみ、折れ、波打ち、つなぎ目の外れ |
| 座板(下端の部分) | 曲がり、床に当たる面の変形 |
| ガイドレール | 曲がり、ゆがみ、固定部分のゆるみ |
| ケース・巻き取りの部分 | へこみ、巻き取りの動きへの影響 |
| 開閉機・操作盤 | 電動の場合、動作や表示に異常がないか |
見た目の傷だけで判断しない
カーテンのへこみが小さくても、当たった衝撃でレールがわずかに曲がっていたり、ケースの中の巻き取りの部分に影響が出ていたりすることがあります。反対に、目立つへこみがあっても、その部分の交換で済む場合もあります。見た目の大きさと修理の範囲は、必ずしも一致しません。開け閉めの動きや音、止まる位置もあわせて確かめたうえで、修理の内容を決めます。
修理か交換か
傷んだ部分の交換で済むこともあれば、損傷が広い範囲に及び、本体の交換を検討することもあります。シャッターの年数や、これまでの修理の履歴も判断の材料になります。考え方は「シャッターは修理か交換か」の記事で解説しています。
防火シャッターだった場合
当たったのが防火シャッターの場合は、火災のときに正しく閉まるかが特に大切です。建築基準法では、建物の所有者・管理者などは、建物を常に適法な状態に維持するよう努めることとされています。また、定期報告の対象となる建物では、防火設備について資格者による定期検査と、特定行政庁への報告が必要です。対象の範囲や報告の時期は特定行政庁によって異なります。接触のあとは、修理とあわせて、検査の対象かどうかも確認しておきましょう。
同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください
設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。
費用が変わる要素と、相談のときに伝えること
接触による修理は、当たった場所や損傷の広がりによって内容が大きく変わります。そのため、ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。
| 費用が変わる要素 | 内容 |
|---|---|
| 損傷の範囲 | カーテンの一部か、レールやケースにも及ぶか |
| 修理の方法 | 部品の交換で済むか、本体の交換が必要か |
| シャッターの種類と大きさ | 手動・電動、軽量・重量、開口の寸法 |
| 部品の取り寄せ | 製品に合う部品の手配が必要か |
| 作業の条件 | 作業できる曜日・時間帯、入出荷との調整、高所作業の要否 |
※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。別途、基本料金や作業の時間帯による料金がかかる場合があります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
相談のときに伝えること
- 建物の所在地と、搬入口の場所
- 当たったものと、当たった部分
- 止まった位置と、今の状態(動くか、動かしていないか)
- 製品のラベルやメーカー名、手動・電動の種類
- 記録した写真
- 作業できる曜日・時間帯、入館の手続き
日本シャッターサービスセンターでできること
日本シャッターサービスセンターでは、倉庫・工場のシャッターの修理、部品交換、交換のご相談を承ります。現地で損傷の範囲を確認し、部品の交換で済むか、交換を検討するかをご案内します。

法人のお客様には、作業できる曜日や時間帯、入出荷の予定を伺い、工事の日時と範囲を整理してからお見積もりします。複数の搬入口や複数の拠点のシャッターをまとめてのご相談も承ります。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。
再発を防ぐための対策
修理が終わったら、同じ接触を繰り返さないための対策も考えておきましょう。設備の対策と、運用の対策を組み合わせると効果的です。

ガードを付ける
レールの手前に保護用の支柱やガードを付けると、車両がレールに直接当たるのを防ぎやすくなります。付ける位置や大きさは、出入りする車両と開口の寸法によって変わります。ガードが出入りの妨げにならないかもあわせて確認します。
表示と動線を見直す
開口の手前の床に停止線や通行帯を表示する、車両と歩行者の通路を分けるなど、動きを分かりやすくします。接触が起きた時間帯や作業の内容を振り返ると、見直すべき動線が見えてきます。たとえば、荷物が多く車両が重なる時間帯に起きたのか、見通しの悪い角度から進入したのか、開ききる前に通ろうとしたのか。原因によって、効果のある対策は変わります。記録した内容は、修理のためだけでなく、こうした振り返りにも役立ちます。
ルールを共有し、日頃から確認する
シャッターが開ききってから通る、動作中は下を通らない、といった基本のルールを作業者に共有します。新しい作業者や応援の人が入ったときにも伝わるようにしておきましょう。また、レールの曲がりやカーテンのへこみなど、小さな接触の跡に気づいたら、早めに相談してください。
まとめ
フォークリフトや車両がシャッターに当たったときは、動くかを試す前に、使用を止めて記録することが先です。人の安全を確認し、使用禁止の表示と立ち入りの制限をしたうえで、日時・場所・当たったもの・写真・止まった位置を残しましょう。保険を使えるかは、契約内容と保険会社の判断によります。
修理までは別の出入口に振り替え、閉まらない場合の防犯も決めておきます。修理の範囲は、カーテンだけでなく、レールやケース、開閉機まで確認して判断します。修理のあとは、ガード、表示、動線、ルールの共有で再発を防ぎましょう。
修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、工場・倉庫のシャッター工事の進め方は「法人向けシャッター工事」、当たったのが防火シャッターの場合は「防火シャッター」のページもご覧ください。
【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| カーテン(スラット) | シャッターの開け閉めする面。細長い板をつないで作られている。 |
| 座板 | カーテンの一番下に付く部材。閉めたときに床に接する。 |
| ガイドレール | 開口の左右に付く縦のレール。カーテンの上下の動きを案内する。 |
| シャッターケース | 開口の上部に付く箱。巻き取ったカーテンを収める。 |
| 開閉機 | 電動シャッターを動かすための装置。 |
| 重量シャッター | 倉庫や工場の搬入口などに使われる、大型で丈夫なシャッター。 |
| 保護ガード | 車両がシャッターに直接当たるのを防ぐため、手前に付ける支柱や柵。 |
| 防火シャッター | 火災のときに閉まり、炎や煙が広がるのを抑えるためのシャッター。 |
| 特定行政庁 | 建築に関する行政を担う自治体。定期報告の対象や時期を定め、報告を受ける。 |