建物の管理者・オーナーの方へ
住宅のガレージにシャッターを新設するときの確認事項
工事の種類と手続き、防火の地域の確認、車と開口の寸法、手動と電動の選び方、防犯まで

車を雨風から守りたい。車上荒らしやいたずらが心配。ガレージの中に置いた自転車や工具も安心して保管したい。住宅のガレージにシャッターを付けたいと考える理由はさまざまです。
ガレージのシャッターには、ほかの場所とは違う条件が重なります。車が毎日出入りすること。外壁の開口部に付くため、風や雨を受けること。そして、建物の外まわりの工事として、地域の決まりが関わる場合があることです。
付けられるかどうかと工事の内容は、ガレージの形と地域の条件で変わります。 この記事では、住宅のオーナーや、ガレージ付き賃貸住宅を管理する方に向けて、ガレージにシャッターを新設する前に確認しておきたいことをまとめます。
どんな工事になるかを整理する
まず、今のガレージがどのような状態で、どこにシャッターを付けたいのかを整理しましょう。工事の種類によって、確認することが変わります。
| 今の状態 | 工事の内容 | 主に確認すること |
|---|---|---|
| 屋根と壁があり、正面が開いているガレージ | 開口部にシャッターを付ける | 開口の寸法、上部と左右の収まり、電源 |
| 屋根だけ、または屋根もない駐車スペース | 壁や屋根を設けて囲い、シャッターを付ける | 建築確認の要否、防火の地域の指定 |
| 建物にガレージを増築する | 増築とあわせてシャッターを付ける | 建築確認の要否、設計者との分担 |
すでに囲われたガレージの開口に付ける場合は、主に寸法や取り付けの条件を確認します。一方、駐車スペースを囲ったり、ガレージを増築したりする場合は、シャッターの工事の前に、建物としての手続きを確認する必要があります。
店舗併用住宅で、ガレージを荷物の搬入にも使う場合は、車だけでなく台車や荷物の出し入れも考えておきましょう。使い方によって、開口の大きさや開け閉めの回数が変わり、選ぶ製品にも関わります。
建築確認と防火の確認
増築になる場合は、確認申請の要否を確かめる
ガレージを囲う工事や増築では、規模が小さくても地域によって手続きが変わります。自治体の案内によると、確認申請が要らないとされる床面積10平方メートル以内の増築でも、防火地域・準防火地域の中では申請が必要です。
申請が要らない場合でも、建築基準法などの基準には合わせる必要があるとされています。「小さいから何をしてもよい」というわけではありません。
準防火地域では、開口部に防火設備が必要になる場合がある
自治体の案内では、準防火地域の建物で「延焼のおそれのある部分」にある開口部には、防火設備を設けるよう示されています。延焼のおそれのある部分とは、隣の建物や道路との距離が近く、火が燃え移るおそれがある部分のことです。
ガレージの正面が道路や隣地に近い場合、シャッターを付ける開口部がこれにあたることがあります。どの製品を選べばよいかは、地域の指定と建物の位置で変わります。
手続きの要否や扱いは、特定行政庁によって異なります。ご自宅が防火地域・準防火地域にあたるかは、自治体の都市計画の窓口や案内で確認できます。増築や囲う工事を考えている場合は、設計者や自治体の建築の窓口に、早めに相談しておきましょう。
車と開口の寸法、外壁ならではの条件

車の大きさと、出し入れのしやすさ
開口の寸法は、今の車だけでなく、将来乗り換える可能性のある車の大きさも考えておきましょう。シャッターを開けきったときに、下端がどの高さまで上がるかも大切です。ルーフキャリアを付けた車や、車高の高い車を入れる場合は特に確認が必要です。
上部・左右・床
シャッターの上部には巻き取ったカーテンを収めるケースが、左右にはレールが付きます。ガレージの天井の高さや梁、照明、左右の壁の幅と下地を確認します。床は、雨水を流すための勾配や段差があることが多く、シャッターの下端が床にどう接するかも見ておきます。
外壁に付けるシャッターは、風に耐える性能が欠かせない
ガレージの正面は外壁の開口部です。業界団体の資料でも、外壁に付けるシャッターでは風に耐える性能が欠かせず、設置する環境に合った強さを確かめるよう求めています。車が通る開口は幅が広く、そのぶん風を受ける面も広くなります。台風の多い地域や、風が吹き抜けやすい立地では、製品を選ぶときに伝えておきましょう。ガレージの正面がどの方角を向いているか、雨が吹き込みやすいかといった普段の様子も、現地確認のときにお伝えいただくと参考になります。
手動か電動か

| 比べる点 | 手動 | 電動 |
|---|---|---|
| 操作 | 手で上げ下げする | スイッチやリモコンで操作する |
| 向いている使い方 | 開け閉めの回数が少ない | 毎日の出し入れが多い、力に不安がある |
| 必要な工事 | 電気の工事は不要 | 電源と配線の工事が必要 |
電動にするなら、電源と電気工事を確認する
電動にする場合は、電源をどこから取り、操作スイッチをどこに付けるかを決めます。電気工事士法では、電気工事士などの資格を持たない人が電気工事の作業に従事することが禁じられています。資格がなくてもできる「軽微な工事」は施行令で定められていますが、範囲は限られています。電気の工事が必要かどうかは、工事を依頼する会社に確認しましょう。
停電のときの操作
停電で車が出せなくなるのは避けたいものです。業界団体の資料では、電動シャッターは停電時に手動のハンドルやチェーンで開けられる仕組みが説明されていますが、方法は製品ごとに違います。引き渡しのときに、実際の手順を見せてもらっておきましょう。
安全装置もあわせて検討する
ガレージのシャッターは、家族が毎日使います。業界団体は、日常的に使うシャッターに、降りている途中で障害物を感知すると止まる障害物感知装置などの安全装置を案内しています。操作するときは、シャッターの下に人や物がないことを確認してから操作することが基本です。小さなお子さんがいるご家庭では、安全装置の有無も検討の材料にしましょう。
将来電動にする可能性がある場合は、新設の相談時にお伝えください。手動から電動への切り替えについては、別の記事で解説しています。
防犯のために確認したいこと
防犯を重視する場合は、「防犯性能の高い建物部品」を検討する方法があります。警察の案内では、官民合同会議の試験で、侵入工具などに対する抵抗時間が5分以上と確認された部品とされ、軽量シャッターや重量シャッターなども対象に含まれています。認定された製品にはCPマークが付きます。ただし、あらゆる状況で侵入を防ぐことを保証するものではないとも案内されています。
シャッターを付けても、閉め忘れがあれば防犯の効果は得られません。夜間や外出のときに閉める習慣をつけておきましょう。電動の場合は、家の中から閉まっているかを確かめにくいこともあります。操作スイッチの位置を決めるときに、普段の動線の中で閉めやすい場所かどうかも考えておくと安心です。
あわせて、鍵の管理も大切です。手動シャッターの鍵や、電動シャッターのリモコンを誰が持つかを決めておきましょう。賃貸住宅では、入居者の入れ替わりのときに鍵やリモコンを回収できるようにしておくと安心です。
同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください
設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。
費用が変わる要素と、やってはいけないこと
ガレージのシャッターの新設は、ガレージの形や手続きの有無によって工事の内容が変わります。ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。
| 費用が変わる要素 | 内容 |
|---|---|
| シャッターの種類と大きさ | 開口の幅と高さ、手動か電動か |
| 求められる性能 | 防火設備が必要か、耐風圧や防犯の性能 |
| 取り付けの条件 | 上部のスペース、下地の補強の要否、床の状態 |
| 周りの工事 | 囲う工事や増築の有無、既存の門扉などの撤去 |
| 電気工事 | 電源の取り方、操作スイッチの位置 |
※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
【やってはいけないこと】
- 防火地域・準防火地域かどうかを確認しないまま、製品を選ぶ
- 増築や囲う工事の手続きを確認しないまま、工事の日程を決める
- 今の車の寸法だけで、開口の高さを決める
- 資格を持たない人が、電動シャッターの電気工事を行う
相談の前に準備しておきたいこと

相談の前に、次のことを分かる範囲で準備しておくと、現地確認と見積もりがスムーズです。
- ガレージの正面、天井、左右の壁、床の写真
- 開口のおおよその幅と高さ
- 入れたい車の大きさ(将来乗り換える車も)
- 防火地域・準防火地域かどうか
- 手動か電動かのご希望
ガレージ付きの賃貸住宅や、管理組合のある建物では、オーナーや管理組合の承認が必要な場合があります。
日本シャッターサービスセンターの新設

日本シャッターサービスセンターでは、住宅の窓や車庫を含め、シャッターの新設を承ります。設置したい場所と目的を伺い、現地で開口の寸法と取り付けの条件を確認してからご案内します。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。
ほかの場所への新設も含めた、新設の前の確認事項は、別の記事でも解説しています。
まとめ
住宅のガレージにシャッターを付けるときは、まず工事の種類を整理しましょう。すでに囲われたガレージの開口に付けるのか、駐車スペースを囲ったりガレージを増築したりするのかで、確認することが変わります。増築になる場合は、地域によって小さな規模でも確認申請が必要です。準防火地域などでは、開口部に防火設備が必要になる場合もあります。扱いは特定行政庁によって異なります。
そのうえで、車の大きさと開口の寸法、外壁に付けるシャッターとしての風への強さ、手動か電動か、防犯の性能を検討します。この順番で整理しておくと、見積もりの内容を比べやすくなります。
修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、ガレージを含むシャッターの新設は「シャッターの新設・取り付け」、賃貸住宅や管理物件でのご相談は「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。
【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| ビルトインガレージ | 建物の1階などに組み込まれた車庫。 |
| 開口(開口部) | 壁にあいた出入口や窓など、シャッターを付ける部分。 |
| 建築確認 | 工事の前に、計画が建築基準法などに適合しているかを確認する手続き。 |
| 防火地域・準防火地域 | 市街地の火災の危険を減らすために、建物の構造などに制限がかかる地域。 |
| 延焼のおそれのある部分 | 隣の建物や道路との距離が近く、火が燃え移るおそれがある部分。 |
| 防火設備 | 防火シャッターや防火戸など、火災の広がりを抑えるための設備。 |
| 特定行政庁 | 建築主事を置く自治体。建築確認などの扱いを定める。 |
| 耐風圧性能 | 風の力に耐える性能。外壁に付けるシャッターで求められる。 |
| 障害物感知装置 | シャッターが降りる途中で障害物を感知すると止まる安全装置。 |
| 電気工事士 | 電気工事士法に基づく、電気工事の作業を行うための資格。 |
| 防犯性能の高い建物部品 | 官民合同会議の試験で、侵入に対する抵抗時間が5分以上と確認された部品。CPマークが付く。 |