建物の管理者・オーナーの方へ
学校・教育施設のシャッター(体育館・倉庫・防火設備)
学校の安全点検と防火シャッター、子どもがいる中での点検の進め方、体育館・倉庫のシャッターの管理

学校の廊下や階段まわりには、防火シャッターが設けられていることがあります。体育館の器具庫や倉庫、給食の搬入口にも、毎日のように開け閉めするシャッターがあります。
令和8年6月、文部科学省は小学校の火災を受けて、全国の学校に防火防災に係る安全点検等の実施を求める通知を出しました。その中では、防火シャッターや防火用扉などの作動性の確認が挙げられ、防火シャッターの点検は閉鎖作動時の危害防止の観点から適切に対応するよう求められています。学校のシャッターは、「火災のときに確実に閉まること」と「子どもがいる中で安全に扱うこと」の両方を考える必要があります。
この記事では、学校・教育施設の施設担当者や事務職員、学校法人や教育委員会の施設担当の方に向けて、学校の安全点検と防火シャッターの関係、子どもがいる中での点検の進め方、体育館や倉庫のシャッターの管理をまとめます。
学校でシャッターが使われる場所
まず、学校のどこにシャッターがあるかを整理しておきましょう。

| 場所 | 主な使われ方 | 管理で気をつけること |
|---|---|---|
| 校舎の廊下・階段まわり | 防火シャッター。普段は開けたまま | 閉まる位置に物を置かない |
| 体育館の出入口 | 行事や地域開放、災害時の利用 | 開け閉めの担当と鍵の管理 |
| 体育館の器具庫 | 授業や部活動で頻繁に開け閉め | 重さ・引っかかり、子どもの操作 |
| 屋外倉庫 | 運動用具や行事の備品の保管 | 雨風によるさび、鍵 |
| 給食の搬入口・配膳室 | 毎日の搬入 | 開け閉めの時間、台車の接触 |
学校は、授業のある日は子どもが大勢いて、放課後や休日には部活動や地域の利用があり、長期休業中は人が少なくなります。どの時間帯に誰がシャッターを操作しているかを把握しておくことが、管理の出発点です。
学校の安全点検と防火シャッター
学校保健安全法では、学校の施設や設備の安全点検を含む計画を策定し、実施することが定められています。同法の施行規則では、安全点検は他の法令に基づくもののほか、毎学期1回以上、児童生徒等が通常使用する施設や設備の異常の有無について系統的に行うこととされ、日常的な点検を行うことも求められています。
文部科学省の「学校における安全点検要領」では、防災に関する点検の対象として、防火シャッターや防火用扉などの作動性が挙げられています。あわせて、防火扉や防火シャッターについては、誤作動によるけがなど日常の安全性の観点からも、定期点検や取扱いの注意を徹底する必要があるとしています。
つまり学校では、防火シャッターを「火災のときの設備」としてだけでなく、「子どもの身近にある、動く設備」としても点検の対象に入れておくことが大切です。学期ごとの点検表に、防火シャッターの項目が入っているかを確認してみてください。
建築基準法の定期検査・点検との関係
学校保健安全法の安全点検とは別に、建築基準法にも防火設備の検査や点検の仕組みがあります。令和8年の文部科学省の通知でも、建築基準法に基づく定期的な点検等の実施が挙げられています。
私立学校などの場合
建築基準法に基づく定期報告制度では、対象の建物の防火設備について資格者が検査し、所有者・管理者が特定行政庁へ報告します。国土交通省の資料では、学校・体育館なども、階や床面積の条件によって対象になる用途として示されています。対象の範囲や報告の時期は、建物の用途や規模、所在地の特定行政庁によって異なります。
公立学校などの場合
国や都道府県、建築主事を置く市町村が所有・管理する建物については、建築基準法で、機関の長等が資格者に定期に点検をさせる仕組みが定められています。学校ごとの点検の手配や記録の扱いは、設置者である教育委員会などの方針によります。
定期検査・報告の進め方は、別の記事で解説しています。
児童生徒がいる学校での点検の安全
平成18年6月、小学校で児童が防火シャッターに挟まれる事故が起きました。これを受けて文部科学省は、防火シャッター等の点検時の安全対策として、原則として児童生徒等の在校時には点検を実施しないことや、点検時に作業員を適切に配置するなど安全対策を徹底することを、都道府県の教育委員会などを通じて学校へ周知するよう求めています。
同じ時期に国土交通省も通知を出し、消防用設備の点検の際に防火シャッターが連動して作動しないよう連動スイッチを切るなどの措置や、利用者のいない時間帯の点検、作業員の適切な配置を求めました。あわせて、平成17年12月に施行された改正建築基準法施行令の危害防止の基準について、既存の建物でも適合させるための改修を行うよう指導することを、行政に求めています。

子どもへの伝え方
防火シャッターの下や、器具庫のシャッターの前は、子どもにとって遊び場になりやすい場所です。降りてくるシャッターの下に入らない、ぶら下がらない、勝手に操作しないといった約束を、学年に合った言葉で伝えておきましょう。
教職員で共有しておくこと
令和8年の文部科学省の通知では、教職員が自動火災報知設備の作動時の初動対応の方法や、消火設備・避難設備の設置場所と使用方法を確認し、共有することも求められています。防火シャッターについても、校舎のどこにあるか、閉まったときにどの通路が通れなくなるか、誤って降りたときに誰へ連絡するかを、年度初めの打ち合わせなどで共有しておくと安心です。異動や担当の交代があっても、点検の記録と連絡先が引き継がれるようにしておきましょう。
【やってはいけないこと】
- 児童生徒がいる時間に、防火シャッターの作動を伴う点検を行う
- 動作を確かめるために、教職員が防火シャッターを手動で閉めてみる
- 防火シャッターの閉まる位置に、掲示板や作品の展示台、机を置く
- 点検で指摘された不具合を、予算がつくまで様子見のままにする
検査で指摘を受けたときの進め方は、「定期検査で指摘を受けたときの対応」で解説しています。
体育館・倉庫のシャッターの管理
体育館の器具庫や屋外倉庫のシャッターは、授業や部活動で毎日のように開け閉めされます。手動のシャッターが重くなった、途中で引っかかるといった変化は、子どもが無理に持ち上げようとしてけがをする原因にもなります。重さの変化に気づいたら、早めに相談してください。
鍵と操作する人を決める
器具庫や倉庫のシャッターは、誰が開け、誰が閉めるかを決めておくと、閉め忘れや無理な操作を防げます。放課後や休日に地域の団体が体育館を使う学校では、利用者に開け閉めを任せる範囲と、鍵の受け渡しの方法も決めておきましょう。
災害時にも使える状態にしておく
文部科学省の資料では、学校施設は子どもたちの学習・生活の場であるとともに、非常災害時には地域住民の避難所等としての役割も果たすとされ、体育館は災害時の主な避難先とされています。体育館の出入口や倉庫のシャッターが動かなければ、物資の搬入や避難者の受け入れに支障が出るおそれがあります。普段あまり開け閉めしないシャッターほど、学期ごとの点検で動作を確かめておきましょう。
同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください
設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。
費用が変わる要素と、工事の時期
学校のシャッターの点検・修理・交換は、台数や作業の条件によって内容が大きく変わるため、ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。
| 費用が変わる要素 | 内容 |
|---|---|
| 作業の種類 | 保守点検、法定の定期検査、修理・部品交換、電動化、新設・交換 |
| 台数と設置場所 | 校舎・体育館・倉庫など、何台あるか |
| シャッターの種類と大きさ | 防火シャッターか一般のシャッターか、手動・電動、開口の大きさ |
| 作業の日程 | 放課後・休日・長期休業中のどれに作業するか、何日に分けるか |
| 関連する装置 | 感知器、連動制御器、予備電源の確認が必要か |
| 製品と状態 | 部品の取り寄せが必要か、本体の交換が必要か |
※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。作業の時間帯によって料金が変わる場合があります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
工事の時期を早めに決める
学校では、在校時を避けて作業するため、交換や大きな修理は長期休業中に集中しがちです。行事や部活動の大会、地域の利用の予定とも重なるため、日程は早めに相談してください。部品の取り寄せが必要な工事や、予算の手続きが必要な工事は、見積もりから工事までの期間も見込んでおくと安心です。
日本シャッターサービスセンターでできること
日本シャッターサービスセンターでは、学校・教育施設の防火シャッターの保守点検、法定の定期検査、修理・部品交換、体育館や倉庫のシャッターの修理・交換・電動化、新設のご相談を承ります。防火シャッターの点検・検査を行える資格者が複数在籍し、点検・検査は年間約500件の実績があります。

点検や工事の前に、台数と設置場所、在校時を避けた作業日の候補を伺い、校舎ごと・区画ごとの進め方をご案内します。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。
まとめ
学校のシャッターは、校舎の防火シャッターから体育館の器具庫、倉庫、給食の搬入口まで、子どもの身近で使われています。学校保健安全法の学期ごとの安全点検に防火シャッターの項目を入れ、建築基準法の検査や点検の対象かどうかも、設置者や特定行政庁で確認しておきましょう。
防火シャッターの作動を伴う点検は、原則として在校時を避け、消防用設備の点検と日程や連動の扱いを合わせて進めます。体育館や倉庫のシャッターは、災害時の避難所としての利用も考え、普段から動く状態にしておくことが大切です。
修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、防火設備の法定の定期検査は「防火設備の点検・検査」、複数の建物や台数をまとめたご相談は「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 防火シャッター | 火災のときに閉まり、炎や煙が広がるのを抑えるためのシャッター。普段は開けたまま使う。 |
| 安全点検 | 学校保健安全法に基づき、学校が施設や設備の異常の有無を確かめる点検。施行規則で毎学期1回以上とされる。 |
| 定期報告制度 | 建築基準法第12条に基づき、対象の建物の防火設備などを検査し、特定行政庁へ報告する制度。 |
| 国の機関の長等 | 国や都道府県、建築主事を置く市町村が所有・管理する建物の管理者。建築基準法で、資格者に点検をさせることが定められている。 |
| 特定行政庁 | 建築に関する行政を担う自治体。定期報告の対象や時期を定め、報告を受ける。 |
| 危害防止 | 閉まる途中の防火シャッターが人に危害を与えないようにすること。基準は建築基準法施行令などで定められている。 |
| 連動スイッチ | 感知器などと防火シャッターの連動を一時的に切るためのスイッチ。点検の際に使われる。 |
| 器具庫 | 体育館などで、運動用具を保管する部屋。 |
| 避難所 | 災害のときに、地域の住民が避難して過ごす施設。学校の体育館が使われることがある。 |