建物の管理者・オーナーの方へ
シャッター新設の前に知っておきたい開口の寸法の考え方|幅・高さ・取付スペース
開口の幅と高さ、まぐさ・袖・天井裏のスペース、通したい車両や荷物との関係まで

倉庫の搬入口や店舗の入口にシャッターを付けたいと考えたとき、まず気になるのは「この開口の大きさで付けられるか」ではないでしょうか。メジャーで幅と高さを測れば分かりそうに思えますが、実際にはそれだけでは決まりません。
シャッターは、開口の上に巻き取ったカーテンを収めるケースを、左右にカーテンを案内するガイドレールを取り付けます。そのため、開口そのものの寸法に加えて、上と左右に取り付けのスペースがあるかが重要です。 さらに、完成後にどんな車両や荷物を通すかによって、必要な開口の大きさも変わります。
この記事では、シャッターの新設を検討している方に向けて、寸法を「開口」「取付スペース」「通したいもの」の3つに分けて考える方法をまとめます。正確な寸法は現地調査で確認しますが、考え方を知っておくと、相談や見積もりの話がスムーズに進みます。
シャッターの各部と、寸法に関わる場所
寸法の話に入る前に、シャッターの主な部分と、建物側のどこに取り付くのかを確認しておきましょう。
業界団体の資料では、シャッターはカーテンを中心に、巻き取りシャフトを収めるケース、駆動力を与える開閉機、開口の左右でカーテンを挟み込むガイドレールなどで構成されると説明されています。建物側では、次の場所が寸法に関わります。

| 場所 | 取り付くもの・関係するもの | 寸法で見ておきたい点 |
|---|---|---|
| 開口 | シャッターが閉まる範囲 | 幅と高さ、場所による寸法の違い |
| まぐさ・天井裏 | ケース、巻き取りシャフト、開閉機 | ケースを収める高さと奥行き |
| 袖(左右の壁・柱) | ガイドレール | レールを固定する幅と下地 |
| 床 | 座板(カーテンの下端)が接する面 | 段差、傾き、排水溝の位置 |
開口の幅と高さの考え方
開口の幅と高さは、シャッターの大きさを決める基本になる寸法です。ただし、測る位置によって数字が変わることがあります。
1か所だけでなく、何か所かで測る
古い建物や改修を重ねた建物では、開口の上と下で幅が違ったり、左と右で高さが違ったりすることがあります。床が水平でない場合もあります。相談の段階では、幅を上・中・下、高さを左・右で測っておくと、どの程度の差があるかをつかみやすくなります。
取り付け方によって、通れる寸法が変わることがある
シャッターのガイドレールやケースを開口の内側に付けるか、外側の壁面に付けるかによって、完成後に実際に通れる幅や高さが変わる場合があります。取り付け方によっては、レールやケースの分だけ、元の開口より通れる寸法が小さくなることがあります。
そのため、「今の開口の寸法」と「完成後に通れる寸法」は分けて考えるのが安全です。 見積もりの際には、完成後に通れる幅と高さがどのくらいになるかを確認しておきましょう。
床の段差・傾き・排水溝も見ておく
シャッターは、閉めたときに座板が床に接します。床に段差や傾きがあると、すき間ができたり、閉まる位置の調整が必要になったりすることがあります。搬入口の手前に排水溝やスロープがある場合も、閉まる位置との関係を確認しておきたいところです。床の状態は写真に残しておくと、相談のときに伝えやすくなります。
上部のスペース(まぐさ・天井裏)
シャッターで特に見落としやすいのが、上部のスペースです。ケースには巻き取ったカーテンが収まるため、開口が大きいほど、また開口が高いほど、ケースも大きくなる傾向があります。
ケースを外に見せるか、天井の中に収めるか
ケースを開口の上の壁面に付ける方法のほか、天井の中に収める方法もあります。天井の中に収める場合は、天井裏(天井懐)にケースが入るだけの高さと奥行きが必要です。
業界団体の資料では、配管やダクトがあって天井懐にシャッターを収めるスペースが少ない場合に、ケースの高さを抑えた製品を使う方法があることも紹介されています。どの方法が合うかは、建物の条件と製品の仕様によって変わります。
梁・配管・照明との取り合い
開口の上には、梁、配管、ダクト、照明、看板、換気口などがあることが少なくありません。ケースの位置と重なる場合は、移設や納まりの工夫が必要になることがあります。天井の中は外から見えないため、点検口があれば中を確認できるか、図面に記載があるかもあわせて確認しておきましょう。
電動にする場合は、ケースのまわりに開閉機も付きます。開閉機を左右どちらに付けるかによって、必要なスペースや点検のしやすさが変わることがあります。将来の点検や修理のために、近づける場所かどうかも考えておくと安心です。
左右のスペース(袖)と下地
開口の左右には、ガイドレールを固定するための壁や柱が必要です。この部分を「袖」と呼ぶことがあります。
レールを固定できる幅と下地があるか
袖の幅が足りない場合や、壁の中に固定できる下地がない場合は、下地の補強や追加、鉄骨の取り付けなどを検討します。壁の仕上げが同じに見えても、中の構造は場所によって違うことがあります。
サッシ・配管・設備との取り合い
開口の横に窓やドア、配管、電気のスイッチ、消火設備などがあると、レールの位置と重なることがあります。移設が必要になる場合もあるため、写真で周りの設備も残しておくと役立ちます。
外壁に付ける場合は風の力も考える
外壁の開口に付けるシャッターは、風を受けます。業界団体の資料では、外壁開口部のシャッターでは耐風圧性能が必須条件となり、設置環境に応じた強度の確認が欠かせないと説明されています。同じ寸法の開口でも、建物の立地や高さによって検討の内容が変わることがあります。
車両や荷物の高さとの関係
開口の寸法は、「何を通すか」から逆算して考えると、完成後の使いにくさを防ぎやすくなります。
今だけでなく、将来通したいものも考える
搬入口なら、出入りするトラックや台車、フォークリフトで運ぶ荷物の大きさを確認します。車庫なら、今の車両だけでなく、買い替えの予定も考えておくと安心です。荷物は、積み上げたときやパレットに載せたときの高さで考えます。
開き切ったときの位置を確認する
シャッターを開けたとき、座板(カーテンの下端)がどの高さまで上がるかで、実際に通れる高さが決まります。ケースや座板が通路側に出る納まりの場合は、その分も考えておく必要があります。

通したいものの大きさが分かれば、開口を広げる工事が必要か、今の開口で足りるかの検討もしやすくなります。手動か電動かによっても操作の仕方や必要な設備が変わるため、電動にする場合は電源の位置もあわせて確認しましょう。
同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください
設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。
費用が変わる要素と、やってはいけないこと
シャッターの新設は、開口の大きさと取付スペースの条件によって工事の内容が大きく変わります。ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。
| 費用が変わる要素 | 内容 |
|---|---|
| シャッターの大きさと種類 | 開口の幅と高さ、手動か電動か、外壁か屋内か |
| 上部の納まり | ケースを壁面に付けるか天井内に収めるか、天井の解体と復旧 |
| 左右の取り付け | 下地の補強や追加、鉄骨の取り付けの有無 |
| 周りの設備 | 照明・配管・看板などの移設の有無 |
| 開口の変更 | 開口を広げる・高くする工事の有無 |
| 作業の条件 | 搬入の条件、作業できる日時、高所作業の有無 |
※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況などによって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
【やってはいけないこと】
- 開口の幅と高さだけで製品を決めてしまう(上部と左右のスペースで工事が変わる)
- 今の車両や荷物だけを基準に寸法を決める(将来の変化に対応しにくくなる)
- 天井裏や壁の中を確認しないまま、取り付けられると判断する
- 高い場所の寸法を、脚立に無理に乗って測る
相談の前に準備しておきたいこと
正確な寸法は現地調査で確認します。とはいえ、事前に分かる範囲の情報をそろえておくと、当日の確認が短く済み、検討も具体的になります。
写真は「全体」と「上」と「左右」を撮る
開口部の全体が入る写真を正面から1枚撮り、開口の上の壁や天井、左右の壁や柱、床面も撮っておきましょう。天井に点検口があれば、その位置も写しておくと役立ちます。高い場所は無理に近づかず、地面から見える範囲で十分です。
測れる範囲で寸法をメモする
幅と高さを、測れる範囲で何か所か測ってメモしておきます。通したい車両や荷物の大きさも書いておくと、話が早く進みます。
図面と建物の窓口を確認する
建物の図面があれば用意しておきましょう。賃貸物件やテナントビルでは、工事に管理会社やオーナーの承認が必要な場合があります。
日本シャッターサービスセンターの新設の流れ
日本シャッターサービスセンターでは、倉庫・工場・店舗などのシャッターの新設のご相談を承ります。開口の寸法、上部と左右のスペース、下地の状態を現地で確認し、取り付けの方法をご案内します。


| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① ご相談 | 設置したい場所と目的、おおよその寸法、写真を伺う |
| ② 現地調査 | 開口の寸法、上部と左右のスペース、下地、床を確認する |
| ③ 取り付け方法のご提案 | ケースとレールの納まり、完成後に通れる寸法を説明する |
| ④ お見積書の提出 | 工事の範囲と、別途になる項目を示す |
新設の工事には5年間の施工保証が付きます。
まとめ
シャッターを付けられるかどうかは、開口の幅と高さだけでは決まりません。上部にケースを収めるスペース、左右にガイドレールを固定する袖と下地、床の状態、そして完成後に通したい車両や荷物の大きさをあわせて考える必要があります。取り付け方によっては、元の開口より通れる寸法が小さくなることもあります。
まずは「開口」「取付スペース」「通したいもの」の3つを整理し、写真と測れる範囲の寸法を用意したうえで、現地調査で正確な寸法と納まりを確認する。この順番で進めると、完成後の「通れない」「収まらない」を防ぎやすくなります。
修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、新設の進め方は「シャッターの新設・取り付け」、工場・倉庫・管理物件などの工事は「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。
【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 開口(開口部) | 壁にあいた出入口や搬入口など、シャッターを付ける部分。 |
| まぐさ | 開口の上にある、横方向の部材や壁の部分。 |
| 袖 | 開口の左右にある壁や柱の部分。ガイドレールを固定する。 |
| 天井裏(天井懐) | 天井と、その上の床や屋根との間の空間。 |
| シャッターケース | 開口の上部に付く箱。巻き取ったシャッターを収める。 |
| ガイドレール | 開口の左右に付く縦のレール。カーテンの上下の動きを案内する。 |
| 座板 | シャッターカーテンのいちばん下の部材。閉めたときに床に接する。 |
| 下地 | レールなどを固定するための、壁や柱の内側の構造。 |
| 納まり | 部材どうしや、建物との取り付きの具合。 |
| 耐風圧性能 | 風の力に耐える性能。外壁に付けるシャッターで確認が必要になる。 |