建物の管理者・オーナーの方へ

法人のシャッター工事で見積もりを依頼するときに伝えること|社内稟議に使える整理

伝える情報、写真と図面、社内承認の流れ、相見積もりの比べ方まで

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター
事業所ビルの裏手にある、シャッターが閉まった搬入口を、裏の通路から目線の高さでのイメージ
イメージ画像(AI生成)

会社の建物のシャッターが壊れた、新しく付けたい。そんなとき、法人の担当者には「見積もりを取って、社内の承認を得てから発注する」という手順があります。ところが、シャッター工事の発注に慣れていないと、何を伝えればよいか分からないまま依頼してしまいがちです。

その結果、業者ごとに見積もりの範囲がばらばらで比べられない、承認の段階で「この費用は何か」と聞かれて答えられない、といったことが起こります。

見積もりの精度と比べやすさは、依頼の段階でほぼ決まります。 この記事では、法人の設備・総務担当者の方に向けて、見積もりの依頼時に伝える情報、用意する写真と図面、社内承認の流れに合わせた進め方、相見積もりの比べ方を整理します。

依頼の段階で情報をそろえる理由

シャッター工事の見積もりは、建物や製品の条件によって内容が大きく変わります。依頼のときに伝える情報が少ないと、業者はそれぞれの想定で見積もりを作ります。ある業者は撤去や復旧を含め、別の業者は含めない、といった違いが出るのはそのためです。

建設業法でも、注文者は見積もりを依頼するときに、工事の内容などをできる限り具体的に示し、見積もりに必要な期間を設けることが求められています。国土交通省のガイドラインでは、示す内容として、工事の名称や施工の場所、設計図書、工程、見積もりの条件、施工の環境などが挙げられています。

小規模なシャッター工事でも、考え方は同じです。最初に情報をそろえておけば、見積もりの範囲がそろい、比べやすくなります。社内で説明するときにも、根拠を示しやすくなります。

もう一つの利点は、現地調査が短く済むことです。業者が事前に状況をつかんでいれば、当日に確認する点を絞り込めます。立会いの時間や、稼働を止める時間を短くできれば、現場の負担も小さくなります。

見積もりの依頼時に伝える情報

依頼のときに伝えておきたい情報を整理します。すべてが分からなくてもかまいません。分かる範囲で伝え、分からないことは「分からない」と伝えるのが確実です。

見積もりの依頼時に伝える8項目
伝える情報 内容 伝え方のポイント
建物の用途と所在地 工場、倉庫、店舗、事務所など 敷地内に複数の建物がある場合は棟も伝える
設置場所と台数 搬入口、店舗の入口、建物内など 複数台あれば、それぞれの場所を分けて伝える
種類と大きさ 手動か電動か、おおよその幅と高さ 製品のラベルがあれば写真を添える
症状または目的 修理なら症状、新設なら目的と使い方 いつから、どんなときに起きるかも伝える
希望の時期と稼働 工事をしたい時期、止められない時間帯 繁忙期や出荷の時間帯を伝える
作業の条件 入館の手続き、駐車場所、作業できる時間 夜間・休日しか作業できない場合は早めに伝える
防火シャッターかどうか 防火シャッターか、検査の指摘があるか 指摘の書類があれば用意する
宛先と承認の窓口 見積書の宛名、承認する部署 支店や事業所ごとの宛名の決まりも伝える

修理と新設で、伝える中心が変わる

修理の場合は、症状をできるだけ具体的に伝えます。「途中で止まる」「異音がする」「鍵がかからない」など、起きていることと、いつから起きているかが分かると、現地で確認する点を絞りやすくなります。

新設の場合は、何のために、どう使うシャッターかを伝えます。通したい車両や荷物の大きさ、1日に開け閉めする回数、手動か電動かのご希望などです。

「やりたいこと」と「決まっていないこと」を分ける

社内で決まっていることと、まだ決まっていないことを分けて伝えると、見積もりの出し方を相談しやすくなります。たとえば「修理か交換か決めかねている」場合は、両方の見積もりを依頼することもできます。

複数台・複数の拠点をまとめて依頼するとき

同じ敷地に何台もシャッターがある場合や、複数の事業所の工事をまとめて考えている場合は、一覧にして伝えると効率的です。拠点ごとに、所在地、設置場所、台数、種類、症状や目的を一行ずつ書き出しておきます。

一覧があると、現地調査の順番や日程を組み立てやすくなります。社内で優先順位を付けておけば、急ぐものから見積もりを出してもらうといった進め方も相談できます。

写真と図面の用意

写真や図面があると、現地調査の前に状況をつかみやすくなります。写真だけで工事の内容を決めることはできませんが、相談はスムーズになります。

撮っておきたい写真の5カット
撮っておきたい写真 ポイント
① 閉めた状態の正面全体 開口の全体が入るように、少し離れて撮る
② 開けた状態の正面全体 周りの照明や看板、配管も入るように撮る
③ 上部のケースまわり 天井や梁との取り合いが分かるように撮る
④ 左右のレールと床 変形や傷があれば、近寄った写真も撮る
⑤ 製品のラベル・操作スイッチ 読める距離で撮る。電動の場合は操作盤も

高い場所に上ったり、動きのおかしいシャッターを無理に開け閉めしたりして撮る必要はありません。地面から見える範囲で十分です。

図面があれば一緒に送る

建物の平面図や立面図、竣工図、設計図書があれば、シャッターの位置が分かる部分を用意しておきます。図面があると、設置場所や開口の大きさ、防火の指定の有無を確認する手がかりになります。図面が見当たらない場合は、建物の管理会社に確認してみてください。

社内承認(稟議)の流れに合わせて進める

法人の工事では、見積もりを取った後に社内の承認が必要になることがほとんどです。承認の流れを先に確認しておくと、見積もりを取り直す手間を減らせます。

会議室の机の上に閉じたノートパソコンと無地のファイルがあり、窓の外にシャッターの付いた倉庫が見える写真風の画像のイメージ
イメージ画像(AI生成)

依頼の前に、社内で確認しておくこと

見積もりを依頼する前に、次の点を社内で確認しておきましょう。

  • 承認する人と、承認にかかるおおよその期間
  • 相見積もりが必要か、必要なら何社か
  • 見積書の宛名と、必要な書式(内訳の細かさなど)
  • 予算の区分(修繕か、設備の更新か)

社内の決まりで内訳の細かい見積書が必要な場合は、依頼のときに伝えておくと、後から作り直してもらう手間が省けます。

稟議書に書いておきたい項目

承認を得るときは、「なぜ今、この工事が必要か」を説明できるようにしておきます。見積書とあわせて、次の項目を整理しておくと伝わりやすくなります。

稟議書の項目 書いておきたい内容
目的・理由 不具合の状態、または新設の目的
緊急度 業務への影響、使えない場合の支障
工事の範囲 見積もりに含まれる作業と、別途になる作業
工期と業務への影響 工事の日数、シャッターが使えない時間
比較の結果 相見積もりの比較と、選んだ理由
保証 施工後の保証の有無と期間

承認の途中で条件が変わったら

承認を待つ間に症状が進んだり、工事の時期が変わったりすることがあります。見積もりの前提になった条件が変わった場合は、早めに依頼先へ伝え、見積もりの内容に影響があるかを確認しましょう。見積書に有効期限が書かれている場合は、承認にかかる期間と照らし合わせておくと安心です。

急ぐときは、応急と本工事を分ける

シャッターが閉まらず防犯上の不安がある、搬入口が使えないなど、急ぐ場合もあります。そのようなときは、まず安全を確保するための対応と、本格的な修理や交換を分けて考えると、社内の承認を段階的に進めやすくなります。進め方は社内の決まりに合わせて相談してください。

相見積もりの比べ方

相見積もりは、同じ条件で依頼してはじめて比べられます。依頼する会社ごとに伝える内容を変えず、同じ情報と写真を渡しましょう。

相見積もりを比べるための表

金額より先に、範囲をそろえる

比べるときは、金額より先に、見積もりに含まれる範囲を確認します。本体や部品、取り付けの作業、撤去・処分、周辺の復旧、電動の場合の電気工事、作業日時の条件などが、それぞれの見積もりに含まれているか、別途になっているかを並べてみましょう。範囲が違う場合は、そろえた条件で出し直してもらうと比べやすくなります。

金額以外に確認すること

工期、作業できる日時、施工後の保証、追加費用が出る条件も比べる材料です。また、一定の規模を超える工事を請け負うには建設業の許可が必要です。工事の内容や規模に応じて、確認しておくと安心です。見積書の項目の読み方は、別の記事で詳しく解説しています。

【やってはいけないこと】

  • 業者ごとに伝える内容を変えて、相見積もりを依頼する
  • 範囲のそろっていない見積もりを、金額だけで比べる
  • 社内の承認の流れを確認しないまま、口頭で発注を約束する
  • 追加の工事を、書面で確認しないまま進めてもらう

費用が変わる要素と、発注時に書面で確認すること

シャッター工事の費用は、建物や製品の条件によって大きく変わります。ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。

費用が変わる要素 内容
工事の種類 修理・部品交換、本体の交換、新設のどれか
シャッターの種類と大きさ 手動か電動か、開口の幅と高さ
台数と設置場所 台数、搬入口・入口・建物内の別、設置の高さ
防火シャッターの有無 連動する装置の確認、点検・検査の要否
撤去と復旧 既存の撤去・処分、天井や外壁の復旧
作業の条件 夜間・休日の作業、入館の手続き、稼働を止められる時間

※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。

契約と追加の工事は書面で

建設業法では、工事の請負契約の内容を書面にして交わすことが定められています。工事の途中で追加や変更が出たときも、作業に入る前に書面で変更の内容を確認することが求められています。社内の記録としても、発注書や注文請書、変更の書面をそろえて保管しておきましょう。

管理会社や建物のオーナーの承認が必要な物件では、その手続きも工程に入れておきます。

日本シャッターサービスセンターでできること

日本シャッターサービスセンターでは、工場・倉庫・店舗・事務所など、法人の建物のシャッターの修理、交換、新設のご相談を承ります。現地で製品と状態、作業の条件を確認したうえで、工事の範囲と別途になる項目が分かるお見積もりをお出しします。社内の承認に必要な情報があれば、ご相談の際にお知らせください。

防火シャッターについては、点検や法定の定期検査を行える資格者が複数在籍し、防火シャッターの点検・検査は年間約500件の実績があります。新設・防火・法人の工事には、5年間の施工保証が付きます。

まとめ

法人のシャッター工事の見積もりは、依頼の段階で情報をそろえることが大切です。建物と設置場所、種類と大きさ、症状や目的、時期と作業の条件、防火シャッターかどうか、宛先と承認の窓口を伝え、写真と図面を添えましょう。

社内の承認の流れを先に確認し、相見積もりは同じ条件で依頼して、範囲をそろえてから比べます。発注や追加の工事は書面で確認し、記録を残しておくと、次の工事のときにも役立ちます。

工場・倉庫・店舗など法人の建物の工事は「法人向けシャッター工事」、シャッターを新しく付ける場合は「シャッターの新設・取り付け」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語

用語 説明
相見積もり 複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼し、内容を比べること。
稟議 社内で、担当者が上長や関係部署に承認を求める手続き。
別途 見積もりの金額に含まれず、別に費用がかかる項目。
建設業法 建設工事の請負契約や、建設業の許可などについて定めた法律。
建設業の許可 一定の規模を超える建設工事を請け負うために必要な許可。
竣工図 工事が終わった時点の建物の状態を表した図面。
設計図書 建物の図面や仕様書など、設計の内容をまとめた書類。
注文請書 発注を受けた側が、注文を引き受けたことを示して渡す書類。
取り合い シャッターと天井・梁・壁など、ほかの部分とが接するところの納まり。
防火シャッター 火災のときに閉まり、炎や煙が広がるのを抑えるためのシャッター。普段は開けたまま使う。
作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。施工事例やご相談前の確認事項を掲載しています。

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