建物の管理者・オーナーの方へ

店舗の開業・改装でシャッターを付けるときの確認事項|テナント工事の区分と段取り

工事の区分の考え方、管理会社・オーナーへの確認、営業開始日から逆算した段取り、電動・手動と防犯まで

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター
晴れた朝、開業前の小さな路面店の入口にシャッターが下りている様子を斜め前から写した写真風の画像。看板はまだ付いていないのイメージ
イメージ画像(AI生成)

店舗の開業や改装では、内装、設備、什器、看板と、決めることがたくさんあります。シャッターもその一つですが、後回しにすると営業開始に間に合わなくなることがあります。

シャッターは、外壁や共用部に関わることが多い設備です。そのため、テナントだけで工事の内容や業者を決められないこともあります。店舗のシャッターは、「どの工事の区分に入るか」と「誰の承認が必要か」を最初に確認することが大切です。

この記事では、テナントとして店舗を開業・改装する方に向けて、工事の区分の一般的な考え方、管理会社やオーナーへの確認事項、営業開始日から逆算した段取り、電動・手動の選び方と防犯面の考え方をまとめます。

店舗のシャッターは「誰の工事か」から確認する

テナントビルや商業施設では、工事の項目ごとに、費用を誰が負担するか、業者を誰が選ぶかを決めた「工事区分表」が用意されていることがあります。建物によっては、これを「A工事」「B工事」「C工事」といった呼び方で分けています。

ただし、これは法令で決まった区分ではありません。呼び方の意味や、それぞれに入る工事の範囲は、建物ごとの賃貸借契約や工事区分表で決まります。同じ「B工事」という言葉でも、建物によって発注の形や費用の負担が違うことがあります。言葉の印象で判断せず、書類で中身を確かめることが大切です。

工事区分表でシャッターについて確認したいこと
工事区分表で確認すること 内容
費用を負担する人 テナントか、オーナーか
業者を選ぶ人・発注する人 テナントが選べるか、オーナー側の指定業者か
対象になる工事の範囲 シャッター本体、電気工事、外壁や天井の補修のどこまでか
承認の手順 申請の書類と、承認までの流れ

シャッターがどの区分に入るかは建物によって違う

店舗の入口のシャッターは、外壁や建物の防火・防犯に関わることがあります。そのため、建物によってはオーナー側の工事として扱われたり、オーナー側が指定する業者で工事することになったりします。テナントが業者を選べる工事として扱われる場合もあります。

どの区分に入るかは、一律には決まりません。契約書や特約、工事区分表を確認し、分からない点は管理会社やオーナーに問い合わせましょう。指定業者がある場合の発注の形や、見積もりの出し方も建物によって異なります。

区分によって、相談する順番が変わる

区分が分かると、誰に何を相談すればよいかがはっきりします。オーナー側の工事であれば、テナントは希望を伝える立場になります。指定業者がある場合は、その業者との打ち合わせが必要です。テナントが業者を選べる場合でも、工事の内容は管理会社やオーナーの承認を受けることが一般的です。

区分があいまいなまま話を進めると、見積もりを取り直したり、工事の日程を組み直したりすることになりかねません。物件の契約前後の早い段階で確認しておくのが理想です。

管理会社・オーナーに確認したいこと

工事の区分とあわせて、次の点を早めに確認しておくと、後からの手戻りを防ぎやすくなります。

確認すること 内容
工事の区分と指定業者 シャッターがどの区分に入るか、指定の業者があるか
工事の申請と承認 申請に必要な書類、承認までにかかる期間
作業できる時間と搬入 作業できる曜日・時間帯、搬入経路、資材の置き場所
防火の指定 シャッターを付ける開口に防火の指定があるか
電源 電動にする場合に、電源をどこから取れるか
退去時の扱い 退去するときに撤去や原状回復が必要になるか

申請と承認にかかる期間を聞いておく

テナントビルや商業施設では、工事の前に図面や工程表などを提出し、承認を受ける手順が決まっていることがあります。承認までにかかる期間は建物によって違うため、段取りを組む前に確認しておきましょう。作業できる時間帯が営業時間外に限られる建物もあります。

防火の指定と退去時の扱い

防火の指定がある開口部では、防火設備の選定が必要になる場合があります。必要かどうかは建物の条件と設計図書で決まるため、管理会社やオーナーに確認しておきましょう。また、テナントが付けたシャッターを退去のときに撤去する必要があるかどうかも、契約で決まります。開業のときに確認しておくと、将来の移転や閉店の計画も立てやすくなります。管理物件での工事の進め方は、別の記事でも解説しています。

営業開始日から逆算した段取り

シャッターは、現地で寸法を確認してから製品を手配することが多く、注文してすぐに付けられるとは限りません。営業開始日が決まっている場合は、そこから逆算して段取りを組みましょう。

営業開始日から考えるシャッター工事の段取り
段階 やること
① 区分の確認 契約書・工事区分表で、シャッターの扱いと指定業者を確認する
② 相談 管理会社・オーナーに工事の内容と時期を伝える
③ 現地調査・見積もり 寸法と取り付けの条件を確認し、見積もりを受け取る
④ 申請・承認 建物のルールに沿って工事を申請し、承認を得る
⑤ 手配・日程調整 製品を手配し、内装工事との順番を決める
⑥ 施工・引き渡し 取り付け、動作確認、操作方法の説明を受ける

内装工事との順番を決めておく

シャッターのケースやガイドレールは、天井や壁の仕上げと取り合います。天井の中にケースを収める場合や、電動にして配線が必要な場合は、内装工事のどの段階でシャッターを取り付けるかを、内装の担当者と調整しておく必要があります。仕上げが終わった後に取り付けると、天井や壁の一部をやり直すことになる場合もあります。

製品の手配にかかる期間も見込む

シャッターは開口に合わせて製品を手配するため、見積もりの承認から取り付けまでに一定の期間がかかります。期間は製品の種類や大きさによって変わるため、見積もりのときに目安を確認し、内装工事の工程表に組み込んでおきましょう。

引き渡し前に、操作と鍵の確認を

開業直前は慌ただしくなりがちです。引き渡しのときに、開け閉めの方法、鍵の扱い、電動の場合は停電時の操作方法を確認し、スタッフに伝えられるようにしておきましょう。

電動か手動かの選び方

店舗のシャッターは、毎日の開店・閉店で開け閉めします。電動か手動かは、使い方に合わせて選びます。

比べる点 手動 電動
操作 手で持ち上げる・引き下ろす スイッチやリモコンで開け閉めする
向いている使い方 開口が小さめで、開け閉めの回数が少ない 開口が大きい、開け閉めの回数が多い、操作する人が多い
必要な設備 電源は不要 電源と電気の配線、操作スイッチ
確認したいこと 操作する人の負担 電源の位置、停電時の操作方法

開口が大きい店舗や、早番・遅番で操作する人が変わる店舗では、操作の負担も考えておきたいところです。電動にする場合は、電源をどこから取るか、操作スイッチをどこに付けるかも決める必要があります。テナントビルでは、電気の工事も工事区分や承認の対象になることがあるため、あわせて確認しておきましょう。まず手動で付けて、後から電動にできるかは、機種や取り付けの状態によります。

防犯面で考えること

閉店後の防犯は、店舗にシャッターを付ける大きな理由の一つです。

防犯性能の高い建物部品を検討する

警察庁などの関係省庁と民間団体による官民合同会議では、一定の防犯性能の試験に合格した製品を「防犯性能の高い建物部品」として目録で公表しています。対象にはシャッターも含まれます。ただし、侵入を絶対に防げることを保証するものではないとされています。シャッターだけに頼らず、照明や防犯設備とあわせて考えましょう。

鍵の管理と閉め忘れ

スタッフが入れ替わる店舗では、鍵を誰が持つか、閉店時に誰が確認するかを決めておくと安心です。合鍵の本数や保管場所を記録しておくと、スタッフが辞めたときや鍵をなくしたときにも対応を判断しやすくなります。電動の場合は、リモコンの数と保管のルールも決めておきましょう。鍵の不具合は、閉められない・開けられないといった営業への影響につながることもあります。

安全に開け閉めする

業界団体は、シャッターの下に人や物がないことを確認してから操作すること、動いている間は目を離さないことを呼びかけています。開店前後は人通りが多い時間帯でもあるため、操作のルールをスタッフに共有しておきましょう。

同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください

設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。

費用が変わる要素と、やってはいけないこと

店舗のシャッターは、建物の条件や工事の区分によって内容が大きく変わります。ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。

費用が変わる要素 内容
シャッターの種類と大きさ 開口の幅と高さ、手動か電動か
取り付けの条件 上部のスペース、天井内に収めるか、下地の補強の有無
電気工事 電動の場合の電源の取り方と配線の経路
既存の撤去 前のテナントのシャッターや建具の撤去・処分
作業の条件 作業できる時間帯、搬入経路、ほかの工事との調整

※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況などによって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。

【やってはいけないこと】

  • 工事の区分や指定業者を確認しないまま、業者に発注する
  • 管理会社・オーナーの承認を得る前に、工事日を決める
  • 営業開始の直前になってからシャッターの相談を始める
  • 防火の指定があるか分からないまま、製品を選ぶ

相談の前に準備しておきたいこと

相談の前に次の情報をそろえておくと、現地調査や見積もりがスムーズです。

管理会社・オーナーへの確認と相談前の準備

営業開始日と、工事できる期間

営業開始日と、内装工事の予定を伝えてください。シャッターの工事ができる期間が分かると、段取りを一緒に組みやすくなります。

入口の写真とおおよその寸法

入口の全体、上の壁や天井、左右の壁や柱、床面の写真を撮り、測れる範囲で幅と高さをメモしておきましょう。

物件の書類

工事区分表、管理会社の連絡先、図面があれば用意しておきます。改装の場合は、今付いているシャッターを使い続けるか、交換するかの希望も伝えてください。前のテナントが残したシャッターがある場合は、その扱いを管理会社に確認しておくと話が早く進みます。

日本シャッターサービスセンターでできること

日本シャッターサービスセンターでは、店舗のシャッターの新設や交換のご相談を承ります。工事の区分や建物のルールを伺ったうえで、現地で寸法と取り付けの条件を確認し、お見積もりします。複数の店舗を出店する法人のお客様や、テナントの入れ替えに合わせて工事を検討する管理会社の方からのご相談も承ります。新設の工事には5年間の施工保証が付きます。

内装工事中の店舗の奥から入口に向かって写し、天井の配管がむき出しで、入口の上にシャッターケースが見える写真風の画像のイメージ
イメージ画像(AI生成)

まとめ

店舗のシャッターは、外壁や共用部、建物の防火・防犯に関わることが多いため、テナントだけで決められないことがあります。まずは契約書や工事区分表で工事の区分と指定業者を確認し、管理会社やオーナーに承認の手順を問い合わせましょう。

そのうえで、営業開始日から逆算して、現地調査、見積もり、申請、製品の手配、内装工事との調整を進めます。電動か手動かは使い方に合わせて選び、防犯や鍵の管理、安全な操作のルールも開業前に決めておくと安心です。

修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、新設の進め方は「シャッターの新設・取り付け」、複数店舗や管理物件での工事は「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語

用語 説明
A工事・B工事・C工事 建物によって使われる工事区分の呼び方。法令上の区分ではなく、意味や範囲は契約や工事区分表で決まる。
工事区分表 工事の項目ごとに、どの区分に入るかをまとめた書類。建物ごとに作られる。
原状回復 退去時に、借りたときの状態に戻すこと。範囲は契約で決まる。
防火設備 防火シャッターなど、火災の広がりを抑えるための設備。
防犯性能の高い建物部品 官民合同会議が定める防犯性能の試験に合格し、目録に掲載された建物部品。
ガイドレール 開口の左右に付く縦のレール。シャッターの上下の動きを案内する。
設計図書 建物の図面や仕様書など、設計の内容をまとめた書類。
作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。施工事例やご相談前の確認事項を掲載しています。

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