建物の管理者・オーナーの方へ

新設で重量シャッターか軽量シャッターかを決めるときの考え方|用途から選ぶ

開口の大きさ・開閉の回数・防火の要否・電動の要否・予算から、自社の使い方に合う種類を考える

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター
大きな搬入口と小さな出入口が並ぶ倉庫の外観を、斜め前から目線の高さで写した写真風の画像。どちらにもシャッターが付き、閉まっているのイメージ
イメージ画像(AI生成)

倉庫の搬入口や店舗の入口にシャッターを新しく付けるとき、「重量シャッターと軽量シャッター、どちらにすればよいのか」という疑問が出てきます。名前の印象から「大きくて丈夫な重量シャッターにしておけば安心」と考える方もいれば、「費用を抑えたいので軽量で十分」と考える方もいます。

ただ、どちらが合うかは、名前ではなく使い方で決まります。開口の大きさ、1日に開け閉めする回数、防火の指定があるか、電動にするか、そして予算。こうした条件を並べてみると、検討すべき種類が見えてきます。

新設のシャッターは「種類」から選ぶのではなく、「使い方」から決めるのが近道です。 この記事では、法人の設備・総務担当者や店舗オーナーの方に向けて、新設時に重量シャッターか軽量シャッターかを決めるための考え方を整理します。

選ぶ前に押さえておきたい違い

ここでは、新設の判断に必要な範囲だけ、2つの違いを確認しておきます。

一般社団法人日本シヤッター・ドア協会の資料では、重量シャッターの用途の例として、建物の外壁の開口部の出入口や、建物内部の防火区画が挙げられています。軽量シャッターは、住宅の車庫や小規模な店舗、倉庫など、比較的小さな間口に使われるものとして紹介されています。

また、JIS(日本産業規格)では、軽量シャッターの構成部材の規格はスラットの板厚が1.0mm以下のもの、重量シャッターの構成部材の規格は板厚が1.2mm以上のものを対象にしています。カーテンに使う鋼板の厚さが違う、と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、この違いだけで「どちらを付けるべきか」は決まりません。次に挙げる5つの要素を、自社の使い方に当てはめて考えていきます。

判断の材料になる5つの要素

新設の種類を決めるときに、検討の材料になるのは主に次の5つです。どれか1つで決めるのではなく、組み合わせで考えます。

重量シャッターと軽量シャッターを考える5つの要素
要素 重量シャッターを検討しやすい場面 軽量シャッターを検討しやすい場面
開口の大きさ 外壁の大きな出入口、搬入口 車庫や小さな店舗など、比較的小さな間口
開閉の回数 一日に何度も開け閉めする、荷物の出し入れが多い 開店・閉店時など、開け閉めの回数が限られる
防火の要否 防火設備が必要な開口部、防火区画 防火の指定がない開口部
電動の要否 大きな開口を電動で開け閉めしたい 手動でも無理なく扱える大きさ・回数
予算 使い方に必要な仕様を優先する 条件に合えば、費用を抑えやすいことがある

表は、あくまで検討の入口です。たとえば、開口は小さくても開け閉めの回数が多い場所や、防火の指定がある場所では、検討の結果が変わります。最終的には、現地で開口と取り付けの条件を確認して決めます。

開口の大きさと開閉の回数から考える

開口は「通したいもの」から考える

開口の大きさは、今の寸法だけでなく、完成後に何を通すかで考えます。台車で運ぶ荷物なのか、フォークリフトで運ぶパレットなのか。通したいものが大きくなるほど、開口も大きくなり、シャッターに求められる条件も変わります。

外壁の開口部に付けるシャッターでは、風を受けたときの強さも考える必要があります。業界団体の資料でも、外壁の開口部に付けるシャッターは、設置する環境に応じて必要な強度を確認することが欠かせないとされています。

開閉の回数と、操作する人

1日に何回開け閉めするかも大切な情報です。朝に開けて夜に閉めるだけの店舗の入口と、出荷のたびに開け閉めする倉庫の搬入口とでは、シャッターにかかる負担が大きく違います。

操作する人も考えておきましょう。決まった担当者だけが操作するのか、複数の従業員やパート・アルバイトの方も操作するのか。操作する人が多い場所ほど、誰でも同じように扱える仕組みや、安全への配慮が大切になります。

数年先の使い方も考えておく

新設のシャッターは、長く使う設備です。今の使い方だけで決めると、数年後に合わなくなることがあります。たとえば、取り扱う荷物が大きくなる予定がある、出荷の回数が増える見込みがある、今は手動でよいが将来は電動にしたい、といった計画があれば、相談の段階でお伝えください。

将来の計画が決まっていなくても、「可能性がある」と分かっているだけで、開口の大きさや電源の準備などを検討しやすくなります。

防火の要否と、電動にするかどうか

防火の要否は、建物の条件と設計で決まる

防火の指定がある開口部では、防火設備としての性能が求められる場合があります。業界団体の資料では、炎や煙を遮る性能は建築基準法で定められた性能で、外壁の開口部で必要な場合と、建物内部の防火区画で必要な場合があるとされています。

防火設備が必要かどうかは、建物の用途や規模、所在地、開口の位置などで決まります。一律に「この建物なら必要」とは言えません。設計図書や設計者、建物の管理会社に確認し、分からない場合は特定行政庁(建築に関する行政を担う自治体)に相談します。必要な場合は、重量か軽量かより先に、防火設備としての条件を満たすことが前提になります。

なお、防火シャッターなどを新たに設置する場合は、平成17年の建築基準法施行令の改正により、閉まるときに人が挟まれないようにする危害防止の仕組みが求められています。

防火シャッターと、普段使うシャッターは役割が違う

防火シャッターは、普段は開けたままにしておき、火災のときに閉まる設備です。一方、搬入口や店舗の入口のシャッターは、毎日の開け閉めに使う設備です。同じ建物の中でも、役割が違えば求められる条件も変わります。「防火の指定がある場所」と「毎日開け閉めする場所」が同じ開口なのか、別の開口なのかを、最初に整理しておきましょう。

電動にするかどうか

大きな開口や、開け閉めの回数が多い場所では、電動を検討することが多くなります。JISの軽量シャッター構成部材の規格は、手動スプリング式、電動式、電動とスプリングを併用する方式を対象にしています。軽量シャッターでも電動を選べるため、「電動にしたいから重量」と決める必要はありません。

電動にする場合は、安全装置もあわせて考えます。業界団体の資料では、シャッターの安全装置として、日常的に使う管理用のシャッターに使われる障害物感知装置と、電動式のシャッターで駆動の部品が壊れたときの急な降下を防ぐ急降下防止装置が紹介されています。電源の位置と操作スイッチの位置も、新設の相談時に確認します。

同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください

設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。

決める順番と、費用が変わる要素

5つの要素は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。最初に防火の要否を確認するのは、必要な場合に選べる仕様が限られるからです。

新設で種類を決める順番
順番 確認すること ポイント
① 防火の指定があるか 設計図書・管理会社・特定行政庁で確認する
② 開口の大きさと通したいもの 車両や荷物の大きさもあわせて伝える
③ 開閉の回数と操作する人 1日の回数、操作する人の範囲
④ 手動か電動か 電源の位置、安全装置
⑤ 予算 必要な仕様をそろえたうえで比べる

費用が変わる要素

重量シャッターと軽量シャッターでは、本体だけでなく取り付けの条件も変わります。ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。

費用が変わる要素 内容
シャッターの種類と大きさ 重量か軽量か、開口の幅と高さ
操作の方式 手動か電動か、安全装置の有無
防火設備としての条件 防火の指定がある開口部か、連動する装置が必要か
取り付けの条件 上部のスペース、壁・柱の下地、補強の要否
撤去と復旧 既存の建具の撤去・処分、天井や外壁の復旧
電気工事 電源の取り方、操作スイッチの位置
作業の条件 搬入の経路、作業できる日時、稼働を止められる時間

※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。

予算を比べるときは、必要な仕様をそろえたうえで比べることが大切です。種類や操作の方式、安全装置の有無が違う見積もりを、金額だけで比べると判断を誤ります。

【やってはいけないこと】

  • 防火の指定があるか確認しないまま、種類を決める
  • 「大きいほうが安心」「安いほうで十分」と、使い方を整理せずに決める
  • 開閉の回数が多い場所を、操作の負担を考えずに手動で計画する
  • 仕様のそろっていない見積もりを、金額だけで比べる

日本シャッターサービスセンターでできること

日本シャッターサービスセンターでは、倉庫・工場の搬入口、店舗の入口、事務所のバックヤードなどへのシャッターの新設を承ります。設置したい場所と目的、使い方を伺い、現地で開口と取り付けの条件を確認したうえで、合う種類と工事の内容をご案内します。

作業台の上に、厚い鋼板のスラットと薄いスラットの見本を並べて置き、真上からのイメージ
イメージ画像(AI生成)

防火の指定がある開口部への新設も、防火シャッターとしてご相談いただけます。防火シャッターの点検や法定の定期検査を行える資格者が複数在籍し、防火シャッターの点検・検査は年間約500件の実績があります。新設の工事には、5年間の施工保証が付きます。

相談の前に準備しておきたいこと

種類を決めきれていない段階でも、相談は可能です。次のような情報があると、現地確認や見積もりの準備がスムーズになります。

相談の前に準備しておきたいこと
  • 開口の全体と、上部・左右の壁や柱の写真
  • 開口のおおよその幅と高さ
  • 通したい車両や荷物の大きさ
  • 1日に開け閉めする回数と、操作する人
  • 手動・電動のご希望、工事をしたい時期
  • 設計図書の有無、管理会社や管理組合の連絡先

写真は、地面から見える範囲で撮れば十分です。迷っていることは、そのままお伝えください。取り付けの条件全般は、別の記事でも解説しています。

まとめ

新設で重量シャッターか軽量シャッターかを決めるときは、名前の印象ではなく、使い方から考えます。開口の大きさと通したいもの、開閉の回数と操作する人、防火の指定の有無、手動か電動か、そして予算。この5つを並べると、検討すべき種類が見えてきます。

最初に防火の指定があるかを確認し、必要な仕様をそろえたうえで見積もりを比べましょう。最終的な判断は、現地で開口と取り付けの条件を確認して行います。

修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、防火の指定がある開口部への新設は「防火シャッター」、工場・倉庫・店舗など法人の建物での工事は「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語

用語 説明
重量シャッター 鋼板の厚いスラットを使うシャッター。外壁の大きな出入口や防火区画などに使われる。
軽量シャッター 鋼板の薄いスラットを使うシャッター。車庫や小さな店舗など、比較的小さな間口に使われる。
スラット シャッターのカーテンを構成する、細長い板。
JIS(日本産業規格) 日本の産業製品などについて定めた国の規格。
開口(開口部) 壁にあいた出入口や窓など、シャッターを付ける部分。
防火設備 防火シャッターなど、火災の広がりを抑えるための設備。
防火区画 火災が広がらないよう、建物の内部を区切った範囲。
危害防止の仕組み 防火シャッターなどが閉まるときに、人が挟まれないようにする仕組み。
障害物感知装置 シャッターが閉まるときに障害物に触れると、止まるなどして危険を防ぐ装置。
急降下防止装置 電動シャッターの部品が壊れたときに、カーテンが急に下りるのを防ぐ装置。
特定行政庁 建築に関する行政を担う自治体。
設計図書 建物の図面や仕様書など、設計の内容をまとめた書類。
作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。施工事例やご相談前の確認事項を掲載しています。

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