建物の管理者・オーナーの方へ
夜間にシャッターが閉まらないとき|管理者が最初にすること
触らない・近づけない・連絡する。防火シャッターの見分け、連絡の順番、朝までの防犯、記録と引き継ぎまで

閉店の時間にシャッターを下ろそうとしたら、途中で止まって動かない。終業後、警備会社から「搬入口のシャッターが開いたまま」と連絡が来た。夜のシャッターのトラブルは、相談できる人が少なく、帰宅の時間も迫るなかで起こります。
そんなとき、何度もスイッチを押したり、手で引き下ろそうとしたりしがちです。ところが、無理な操作は、けがや故障の悪化につながるおそれがあります。
夜間の初動の基本は、「無理に動かさない・人を近づけない・安全を確保する・連絡する」の4つです。 この記事では、管理会社の担当者、ビルオーナー、事業所の総務・設備担当、マンションの理事長などの管理者の方に向けて、夜にシャッターが閉まらないとき最初にすること、連絡の順番、朝までの防犯、記録と引き継ぎを整理します。
最初の数分でやること
まずは、その場の安全を確保します。原因を探すのは、そのあとで構いません。

操作をやめ、下に近づけない
業界団体の一般社団法人 日本シヤッター・ドア協会は、いつもと異なる動きをしたり異音がしたりするときは、速やかに使用を中止し、シャッターの下を人や車が通行しないよう措置をとるよう呼びかけています。途中で止まったシャッターの下をくぐらないでください。コーンやテープ、台車などで前を区切り、操作盤やリモコンには「使用中止」の表示を出します。
状態を見て、記録する
安全を確保したら、離れた位置から状態を確かめます。どの高さで止まっているか、左右に傾いていないか、異音や焦げたようなにおいはないか、操作盤に表示が出ていないか。分かる範囲で写真とメモを残しておくと、修理の依頼先に伝えるときに役立ちます。原因の考え方は、次の記事で解説しています。
協会は、シャッターの点検・修理には専門知識が必要で、利用者による修理・分解・改造は絶対にしないよう注意しています。カバーを開けたり、部品に触ったりするのはやめましょう。
一般のシャッターか、防火シャッターか
対応を決める前に、閉まらないシャッターが普段の開け閉めに使う一般のシャッターか、火災のときに閉まる防火シャッターかを確かめます。
防火シャッターは、普段は開けたままで、火災のときに閉まって炎や煙の広がりを抑える設備です。協会は、防火シャッターは管理者やユーザーが操作するものではないとしています。夜間に防火シャッターが降りていた、または降りかけて止まっていた場合は、まず火災や煙の兆候がないかを確かめてください。火災の兆候があれば、避難と119番通報を優先します。
火災でない場合も、自分で巻き上げたり、装置を操作したりして戻そうとしないでください。手順を誤ると、次の火災のときに閉まらないおそれがあります。
連絡の順番と、伝えること
安全を確保したら、連絡です。夜は電話がつながらない相手もいるため、あらかじめ決めた順番に沿って連絡します。

| 連絡先 | 伝えること |
|---|---|
| 社内の責任者・オーナー | 場所、状態、取った措置、朝までの防犯の案 |
| 管理会社(管理物件の場合) | 建物名、設置場所、状態、使用中止にしたこと |
| 修理の依頼先 | シャッターの種類、止まった位置、表示、写真の有無、立ち会える人と日時 |
| 警備会社 | 開いたままの開口の場所と、見回りの相談 |
| 利用者 | 使用中止のお願い、下を通らないこと、翌日の見通し |
電話がつながらない相手には、留守番電話やメールで、場所・状態・取った措置・折り返しの連絡先を残しておきます。誰に、何時に、どう伝えたかもメモしておくと、翌朝の引き継ぎで確認の重複を防げます。
緊急時の扱いは、契約と規約で決まる
管理物件では、夜間の手配を誰が判断できるかも確認が必要です。国土交通省のマンション標準管理委託契約書には、災害や事故等で緊急に行う必要があり、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がない業務は、承認を受けずに実施でき、その後に速やかに書面で内容と費用を通知する、という条項の例があります。マンション標準管理規約でも、災害等の緊急時に理事長が必要な保存行為を行えるとされています。
ただし、どちらもひな形です。夜間のシャッターの故障が緊急の扱いに当たるか、どこまで手配してよいかは、実際の管理委託契約や管理規約、賃貸借契約によって異なります。判断に迷う場合は、その場で発注を決めず、管理会社やオーナーと相談のうえ、記録を残して翌日に手続きを進めましょう。
閉まらないまま朝を迎えるとき
修理が翌日以降になる場合は、朝まで防犯と安全を保つ方法を決めます。
- シャッターの内側にある扉や窓を施錠する
- 現金や商品、貴重品を、施錠できる部屋や奥の場所へ移す
- 照明をつけたままにするなど、開口のまわりを暗くしない
- 警備会社に見回りや監視の強化を相談する
- 開口の前を区切り、「使用中止・下を通らない」の表示を残す
一人で夜通し見張るなど、無理な対応は避けてください。侵入された形跡がある、不審な人がいるなど、事件のおそれがある場合は警察に連絡します。
開いたままか、閉じたままかで心配が変わる
開いたまま閉まらない場合の心配は、主に防犯です。上の対策に加え、開口から入れる範囲に何があるかを確かめ、動かせるものは奥へ移しましょう。
閉じたまま開かない、あるいは低い位置で止まった場合は、翌朝の出入りが心配になります。朝一番に使う人や、搬入・出荷の予定がある取引先に、夜のうちに見通しを伝えておくと混乱を減らせます。ほかの出入口が使えるなら、その案内も添えます。どちらの場合も、シャッターを無理に動かして解決しようとしないことが前提です。

【やってはいけないこと】
- 何度もスイッチやリモコンを操作して、動くか試す
- 止まったシャッターを、手や道具で引き下ろす・押し上げる
- 脚立に上って、上部のケースや部品に触る
- ロープで縛る、物で支えるなど、自己流で固定する
- 途中で止まったシャッターの下を、人や台車、車がくぐる
- 防火シャッターを、自分で巻き上げたり装置を操作したりして戻す
記録と翌朝の引き継ぎ
夜の対応は、翌朝に担当が替わることが多いものです。次の項目をメモに残し、引き継ぎます。
| 記録する項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時と発見者 | いつ、誰が気づいたか |
| 場所とシャッター | 建物・階・出入口、一般か防火か |
| 状態 | 止まった位置、傾き、異音・におい、操作盤の表示 |
| 直前の状況 | 最後に操作したのは誰か、何かが当たったか |
| 取った措置 | 区切り、表示、施錠、貴重品の移動 |
| 連絡の記録 | 連絡した相手、時刻、相手の回答 |
翌朝は、夜の担当から記録を受け取り、修理の依頼先と現地確認の日時を決め、利用者に見通しを知らせます。現地確認には、状態を見た人か、記録の内容を説明できる人が立ち会えるようにしておくと、話が早く進みます。見積もりを受け取ったら、応急の対応と本修理が分かれているか、範囲がそろっているかを確認しましょう。
夜間の故障に備えて決めておくこと
夜のトラブルで慌てないためには、昼のうちの準備が欠かせません。
まず、緊急時の連絡網です。社内の責任者、オーナー、管理会社、修理の依頼先、警備会社の連絡先と、連絡の順番を一枚にまとめ、夜に施錠を担当する人が見られる場所に置きます。次に、建物のシャッターの一覧です。設置場所、一般か防火か、手動か電動か、製品の表示、点検の依頼先を書いておくと、連絡のときに慌てません。
閉める担当者には、下ろす前にシャッターの下に人や物がないかを確かめ、動作中はそばを離れないよう伝えておきましょう。協会も、操作の前の確認と、動作中にそばを離れないことを呼びかけています。保守点検を依頼している場合は、夜間の連絡の受け方や契約の範囲を、事前に確認しておくと安心です。
もう一つは、手順の共有です。「操作をやめる・区切る・連絡する」という最初の動きと、連絡先の順番を短くまとめ、施錠を担当する人が見られる場所に掲示しておきましょう。担当者が入れ替わる職場や、夜は管理員がいないマンションでは、特に効果があります。年に一度は連絡先が変わっていないかを見直します。
同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください
設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。
費用が変わる要素と、日本シャッターサービスセンターでできること
シャッターの修理は、原因や製品によって内容が大きく変わるため、ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。
| 費用が変わる要素 | 内容 |
|---|---|
| 不具合の原因と範囲 | 操作の機器か、開閉機か、カーテンやレールの傷みか |
| 修理の方法 | 調整や部品の交換で済むか、本体の交換が必要か |
| シャッターの種類と大きさ | 手動・電動、開口の寸法、防火シャッターかどうか |
| 部品の取り寄せ | 製品に合う部品の手配が必要か |
| 作業の条件 | 作業できる曜日・時間帯、入館の手続き、立会いの要否 |
※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。作業の時間帯によって料金が変わる場合があります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
日本シャッターサービスセンターでは、店舗・事務所・倉庫・管理物件のシャッターの修理・部品交換、防火シャッターの点検・修理のご相談を承ります。お問い合わせの際に、記録した状態や写真をお知らせいただくと、現地確認の準備がスムーズです。対応できる日時は、お問い合わせの際にご確認ください。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。
まとめ
夜にシャッターが閉まらないときは、操作をやめ、下に人や物を近づけず、区切りと表示で安全を確保します。防火シャッターの場合は火災の兆候を確かめ、自分で戻さないでください。そのうえで、決めた順番で連絡し、朝までの防犯を整え、状態と対応を記録して翌朝に引き継ぎましょう。夜間の手配をどこまで判断できるかは、管理委託契約や管理規約で確かめておくことが大切です。
修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、店舗・事務所・倉庫・管理物件のシャッターは「法人向けシャッター工事」、防火シャッターは「防火シャッター」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 防火シャッター | 火災のときに閉まり、炎や煙が広がるのを抑えるためのシャッター。普段は開けたまま使う。 |
| 操作盤 | 電動シャッターの開閉を操作するスイッチや、状態を示す表示がある機器。 |
| 使用中止 | 異常があるときに、操作や通行をやめてもらうこと。 |
| 管理委託契約 | 管理組合やオーナーが、管理会社に管理の業務を任せる契約。 |
| 保存行為 | 共用部分などの現状を保つための行為。 |
| 応急の対応 | 本修理の前に、当面の安全や使用のために行う作業。 |
| 本修理 | 原因を取り除き、通常どおり使える状態に戻す修理。 |