建物の管理者・オーナーの方へ
シャッターのガイドレールが曲がったとき|車両が接触したあとの対応と再発防止
動かして確かめない。記録して点検を依頼する。駐停車の範囲やセンサーの見直しで再発を防ぐ

搬入口でトラックがバックしたときに、シャッターの左右のレールに当たってしまった。駐車場の出入口で、来客の車がシャッターに接触した。車両が出入りするシャッターでは、こうした接触が起こりがちです。
レールが少し曲がっただけに見えても、そのまま開け閉めを続けると、カーテンが引っかかったり、傾いたまま動いたりして、被害が広がることがあります。
接触したあとの基本は、「動かして確かめない・下に近づけない・記録する・点検を依頼する」です。 この記事では、ガイドレールが曲がったときにその場ですること、記録と修理の依頼、修理の考え方、再発を防ぐ見直しを、管理者・設備担当者向けに整理します。
ガイドレールの役割と、曲がると起きること
ガイドレールは、シャッターの左右に立っているレールです。消費者庁の消費者安全調査委員会の報告書では、シャッターは開閉機の力で巻取りシャフトを回し、カーテンを上げ下げする仕組みで、カーテンは左右のガイドレールに沿って直線的に動くと説明されています。
レールが曲がると、カーテンの端がまっすぐ通らなくなります。レールの中で引っかかる、片側だけが遅れて傾く、無理な力がかかって上部の部品に負担がかかる、といったことが起こりえます。
業界団体の一般社団法人 日本シヤッター・ドア協会は、利用者向けの資料で、座板やガイドレールが破損・変形している場合は、ただちに使用を止めて連絡するよう呼びかけています。シャッターが傾いて水平に動かない場合も同じです。
接触した直後にすること
まずは、その場の安全を確保します。

操作をやめ、下に近づけない
接触したときにシャッターが動いていた場合は、止めたうえで操作をやめます。協会は、いつもと異なる動きや異音があるときは速やかに使用を中止し、シャッターの下を人や車が通行しないよう措置をとるよう呼びかけています。開いたままなら、下を車や台車が通らないようにコーンなどで区切り、操作盤には「使用中止」の表示を出します。
状態を記録する
離れた位置から、どのレールのどの高さが曲がっているか、カーテンや座板(カーテンの一番下の部材)にも傷やへこみがないか、シャッターが傾いていないかを確かめ、写真とメモを残します。
【やってはいけないこと】
- 動くかどうか、スイッチで何度も試す
- 曲がったレールを、ハンマーなどで叩いて戻す
- はみ出したカーテンを、手や道具で押し込む
- 傾いたシャッターの下を、人や車がくぐる
協会は、シャッターの点検・修理には専門知識が必要で、利用者による修理・分解・改造は絶対にしないよう注意しています。
同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください
設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。
記録と修理の依頼で伝えること
接触の記録は、修理の依頼にも、費用をだれがどう負担するかの話し合いにも役立ちます。

| 記録する項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時・場所 | いつ、どの建物のどの出入口か |
| 当てた車両と運転者 | 自社の車か、取引先・来客の車か、運転者の連絡先 |
| 接触の状況 | バック中か、シャッターが降りてきたのか |
| 曲がった場所 | 左右どちらのレールの、どの高さか |
| シャッターの状態 | 開いているか閉じているか、傾き、カーテンや座板の傷 |
| 取った措置 | 使用中止、区切り、表示、連絡した相手 |
取引先や来客の車が当たった場合は、その場で相手の会社名・連絡先を確かめ、社内の担当者や管理会社に報告します。費用の負担は、当事者どうしの話し合いや保険の扱いによって異なるため、その場で約束をせず、記録を残して担当者に引き継ぎましょう。
管理物件では、修理の発注をだれが判断するかも確認が必要です。
修理の考え方
修理の内容は、曲がりの程度と、ほかの部品への影響で変わります。点検では、レールだけでなく、カーテン、座板、上部の巻き取りの部分まで確かめてもらいましょう。
協会が公開している事故事例には、台風や地震の影響でカーテンにわずかなずれが生じ、長年使ううちに大きく片寄って、上部の軸受けの部材を削ってしまった例があります。接触のあとに「とりあえず動くから」と使い続けると、目に見えないずれが進むおそれがあります。
修理の方法は、おおまかに次のように分かれます。
- レールの調整や、曲がった部分の補修で済む
- レールを交換する
- カーテンや座板など、ほかの部品も交換が必要
- 製品の状態によっては、シャッター全体の取り替えを検討する
見積もりを受け取ったら、どの部品を、なぜ交換するのかを確かめましょう。
防火シャッターのレールが曲がったとき
接触したのが防火シャッターの場合は、特に注意が必要です。防火シャッターは、普段は開けたままで、火災のときに閉まって炎や煙の広がりを抑える設備です。協会の技術資料は、適切な維持管理が火災のときの確実な作動に欠かせないとしています。レールが曲がっていると、いざというときに閉まりきらないおそれがあります。曲がりが小さく見えても、自分で戻そうとせず、早めに点検を依頼しましょう。
防火シャッターが閉まらない・勝手に降りるとき|管理者が最初にすること →
再発を防ぐために
修理と同じくらい大切なのが、再発を防ぐ見直しです。協会の注意喚起事例には、車両とシャッターの接触例が複数あります。
- 全開から約30秒で自動的に降りる仕様のシャッターの下に車を止めて荷物を積んでいたところ、降りてきたシャッターが車の屋根に接触した。両側にセンサーはあったが、転んだ子どもを感知する高さに付いていたため、車を感知できなかった。
- 全開から約60秒で自動的に降りる仕様のシャッターで、運転者が降り始めに気付かずに入庫し、車の後部が接触した。
協会は対策として、全開後に一定時間で自動的に閉まる製品であることを利用者に改めて説明すること、シャッターの前後1mに駐停車禁止の範囲を設けること、回転灯やブザーなどの注意喚起装置の導入、使い方に合わせたセンサーの追加を挙げています。センサーが付いていても、その高さや位置によっては車を感知できないことがある、という点は覚えておきましょう。
あわせて、次の点も見直しましょう。
- 搬入口の運転者や取引先に、シャッターの下で止まらない・動いているときに進入しないことを伝える
- 床の線や表示で、止める位置を分かりやすくする
- レールの前に車止めやガードを設けられるか、修理の依頼先に相談する

費用が変わる要素と、日本シャッターサービスセンターでできること
ガイドレールの修理は、曲がりの程度やほかの部品への影響によって内容が大きく変わるため、ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。
| 費用が変わる要素 | 内容 |
|---|---|
| 曲がりの範囲 | レールの一部か、全体か、左右両方か |
| ほかの部品への影響 | カーテン、座板、上部の部品の損傷の有無 |
| 修理の方法 | 調整・補修で済むか、部品の交換か、本体の取り替えか |
| シャッターの種類と大きさ | 手動・電動、開口の寸法、防火シャッターかどうか |
| 再発防止の追加 | センサーの追加、注意喚起装置、ガードなど |
| 作業の条件 | 搬入口を止められる時間帯、立会いの要否 |
※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
日本シャッターサービスセンターでは、倉庫・工場・店舗・駐車場・管理物件のシャッターの修理・部品交換、再発防止のご相談を承ります。お問い合わせの際に、記録した状態や写真をお知らせいただくと、現地確認の準備がスムーズです。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。
まとめ
ガイドレールは、カーテンを左右から案内してまっすぐ上げ下げするためのレールです。車両が当たって曲がったときは、動かして確かめず、下に近づけないようにして、状態と接触の状況を記録しましょう。修理ではレールだけでなく、カーテンや上部の部品まで点検してもらうことが大切です。あわせて、駐停車の範囲、自動で閉まる仕様の周知、センサーや注意喚起装置を見直し、再発を防ぎましょう。
修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、店舗・事務所・倉庫・管理物件のシャッターは「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| ガイドレール | シャッターの左右に立ち、カーテンの端を案内するレール。 |
| シャッターカーテン | 開け閉めする幕の部分。 |
| 座板 | カーテンの一番下の部材。閉めたときに床に接する。 |
| 巻取りシャフト | 上部でカーテンを巻き取る軸。 |
| 光電センサー | 光のビームが遮られたことで、人や物を感知する装置。 |
| 注意喚起装置 | 回転灯やブザーなどで、シャッターが動くことを知らせる装置。 |
| 使用中止 | 異常があるときに、操作や通行をやめてもらうこと。 |