建物の管理者・オーナーの方へ

シャッターの応急修理と本修理の違い|管理者が確かめること

応急は当面の安全と使用のため、本修理は原因を取り除くため。応急の内容と制限を確かめ、本修理まで一続きで管理する

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター
昼の倉庫の搬入口で、閉じたスチール製のシャッターの前に、オレンジ色のコーンとバーが置かれて区切られている様子を斜めからのイメージ
イメージ画像(AI生成)

シャッターが途中で止まって動かなくなった。業者に来てもらうと、「今日は応急の処置をして、部品が届いたら本修理をします」と言われた。シャッターの修理では、このように作業が二段階に分かれることがあります。

応急の処置で、とりあえず閉められるようになった、開けられるようになったと安心して、本修理の予定があいまいになってしまう。応急のまま使い続けて、別の不具合が出てしまう。そうしたことを防ぐには、二つの違いを理解しておくことが大切です。

応急修理は「当面の安全と使用のため」、本修理は「原因を取り除いて、通常どおり使えるようにするため」の作業です。 この記事では、法人の担当者や管理会社の担当者に向けて、二つの違い、応急の処置のあとに確かめること、見積もりと承認の進め方、本修理まで管理するポイントを整理します。

応急修理と本修理の違い

比べる点 応急修理 本修理
目的 当面の安全の確保、最低限の使用や防犯 不具合の原因を取り除き、通常どおり使える状態に戻す
範囲 その場でできる範囲の作業 原因になった部品の交換や調整など
時期 不具合が起きてすぐ 部品の手配や日程の調整のあと
その後 使い方に制限が残ることがある 制限なく使えるかを確かめて完了

応急の処置は、部品がすぐに手に入らないとき、夜間や休日で本修理の準備ができないとき、まず安全を確保しなければならないときなどに行われます。どちらも、シャッターの構造を知る業者が行う作業です。

応急の処置で目指すこと

応急の処置で目指すことは、場面によって変わります。たとえば、閉まらなくなった出入口を朝まで閉じた状態にしておきたい、搬入口を当面は開けたままで使いたい、誤って動かないようにしておきたい、といった目的です。どの状態にするかによって、その後の使い方や防犯の心配が変わります。業者に処置を頼むときは、「当面、どう使えれば困らないか」を伝えておきましょう。

一度で直せる場合もある

応急と本修理に分けるのは、部品や時間の都合があるときです。必要な部品がそろい、作業の時間も取れるなら、一度の作業で本修理まで終えられることもあります。分ける理由を業者に聞き、分けたほうがよいのか、まとめて直せるのかを確かめておくと、作業の回数や出入口が使えない時間を減らせる場合があります。

業者が来るまでに管理者がすること

業界団体の一般社団法人 日本シヤッター・ドア協会は、いつもと異なる動きや異音があるときは、速やかに使用を中止し、シャッターの下を人や車が通らないよう措置をとるよう呼びかけています。止まっている状態でも、顔や手を出したり、下に物を置いたりしないよう注意しています。さらに、誤って動かないよう、操作できない措置や表示をしたうえで連絡するよう案内しています。

協会は、点検や修理には専門知識が必要だとして、利用者による修理・分解・改造は絶対にしないよう注意しています。応急の処置も、管理者や利用者が自分で行うものではありません。業者が来るまでは、前を区切り、操作盤に「使用中止」の表示を出し、状態を記録しておきましょう。

応急の処置で確かめること

応急の処置が終わったら、業者から次の点を聞き、メモや報告書で残してもらいます。

応急の処置のあとに確かめること
確かめること 内容
何をしたか 応急の処置で行った作業と、その理由
使ってよいか 開け閉めしてよいか、回数や方法に制限があるか
直っていないところ 本修理まで残る不具合や、注意する症状
本修理の内容 交換する部品、調整する箇所、交換の可能性
時期と部品の手配 部品の手配にかかる見込みと、本修理の予定日
異常が出たとき 本修理までに異常が出たときの連絡先と対応

特に大切なのは、「本修理までの間、どう使ってよいか」です。開け閉めを控えるべきか、手動での操作に限るのか、開けたまま・閉めたままにしておくのか。使い方の制限は、実際に操作する人にも伝える必要があります。

防犯の面で応急の処置をした場合は、鍵や施錠の状態も確かめておきましょう。

同じような状況でお困りでしたら、ご相談ください

設置場所、手動・電動の種類、今の状態をお知らせいただくと、確認しやすくなります。写真はLINEで送れます。

見積もりと承認の進め方

応急と本修理を分けて見積もってもらう

応急の処置と本修理は、作業の内容も時期も違います。見積もりや請求も、分けて出してもらうと、社内の決裁や、オーナー・管理組合への説明がしやすくなります。本修理の見積もりでは、応急の処置で使った部品や作業がどう扱われるかも確かめておきましょう。

国土交通省の「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」では、追加の工事や変更は、その工事の着手前に書面で契約を変更することとされています。内容が着手前に決まらない場合も、作業の内容、契約変更の対象になること、単価などを書いた書面を着手前に取り交わすという進め方が示されています。応急の処置のあとに本修理を頼むときも、内容と金額を書面で確かめてから進めましょう。

管理物件の緊急時の扱い

管理物件では、応急の処置を誰の判断で頼めるかも問題になります。国土交通省の「マンション標準管理委託契約書」には、災害や事故等で緊急に行う必要があり、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がない業務は、承認を受けずに行うことができ、その場合は速やかに書面で内容と費用を通知する、という条項があります。事故等の例として、火災、漏水、物の落下や衝突、犯罪などが挙げられています。「マンション標準管理規約」でも、災害等の緊急時には、理事長が総会や理事会の決議によらずに必要な保存行為を行えるとされています。

ただし、どちらもひな形です。シャッターの不具合が緊急の扱いに当たるか、応急の処置と本修理をそれぞれ誰が承認するかは、実際の管理委託契約や管理規約、賃貸借契約によって異なります。応急の処置は緊急の対応として行い、本修理は通常の手続きで承認を受ける、という分け方も考えられます。

応急のままにしないために

応急の処置は、あくまで当面のための作業です。本修理まで、次のように管理しましょう。

不具合から本修理・記録までの流れ
  • 本修理の予定日を、社内やオーナーと共有し、近づいたら業者に確かめる
  • 使い方の制限を、操作盤のそばの表示や連絡で利用者に知らせる
  • 本修理までに異常が出たら、すぐに使用を中止して業者に連絡する
  • 応急の処置と本修理の内容、日付、費用を、シャッターの記録に残す

防火シャッターで応急の処置をした場合は、火災のときに正しく閉まる状態に、できるだけ早く戻すことが大切です。本修理までの間、どのような状態にあるかを業者に確かめておきましょう。

応急の処置を何度も繰り返している場合や、本修理でも同じ不具合が続く場合は、交換も含めて考える時期かもしれません。

昼の店舗の入口で、閉じたシャッターの横の操作盤に、使用を控えるための白い表示カードがひもで下げられている様子を斜めから写した写真風の画像。カードの文字は読めないのイメージ
イメージ画像(AI生成)

費用が変わる要素と、日本シャッターサービスセンターでできること

シャッターの修理は、原因や製品によって内容が大きく変わるため、ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。

費用が変わる要素 内容
不具合の原因と範囲 操作の機器か、開閉機か、カーテンやレールの傷みか
作業の分け方 応急の処置と本修理に分けるか、一度で直せるか
シャッターの種類と大きさ 手動・電動、開口の寸法、防火シャッターかどうか
部品の取り寄せ 製品に合う部品の手配が必要か
作業の条件 作業できる曜日・時間帯、入館の手続き、立会いの要否

※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。作業の時間帯によって料金が変わる場合があります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。

日本シャッターサービスセンターでは、東京・神奈川・千葉・埼玉で、店舗・事務所・倉庫・管理物件のシャッターの修理・部品交換、防火シャッターの点検・修理のご相談を承ります。応急の処置を受けたあとの本修理のご相談も承ります。応急の処置の内容や、業者から受けた説明が分かれば、お問い合わせの際にお知らせください。新設・防火・法人向けの工事には、5年間の施工保証が付きます。

まとめ

シャッターの応急修理は当面の安全と使用のため、本修理は原因を取り除いて通常どおり使えるようにするための作業です。不具合に気づいたら使用を中止し、前を区切って表示を出し、自分で直そうとせず業者に連絡しましょう。応急の処置のあとは、何をしたか、どう使ってよいか、本修理の内容と時期を確かめ、利用者に知らせます。見積もりは分けて出してもらい、管理物件では承認の手続きを確かめ、本修理まで一続きで管理することが大切です。

修理の流れや症状ごとの確認は「シャッター修理」、店舗・事務所・倉庫・工場・管理物件のシャッターは「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。

応急の処置を受けたときの6項目

【付録】この記事で使った用語

用語 説明
応急修理(応急の処置) 本修理の前に、当面の安全や使用、防犯のために行う作業。
本修理 原因を取り除き、通常どおり使える状態に戻す修理。
使用中止 異常があるときに、操作や通行をやめてもらうこと。
操作盤 電動シャッターの開閉を操作するスイッチや、状態を示す表示がある機器。
管理委託契約 管理組合やオーナーが、管理会社に管理の業務を任せる契約。
保存行為 共用部分などの現状を保つための行為。
契約変更 追加の工事などで、契約の内容や金額を書面で改めること。
作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。施工事例やご相談前の確認事項を掲載しています。

防火シャッターのご相談

点検・検査・修理のご相談は、
建物の状況とあわせてお知らせください。

東京・神奈川・千葉・埼玉での防火シャッターのご相談を承ります。建物の用途と所在地、設置場所と台数を分かる範囲でお知らせください。

検査で指摘された内容、メーカー名、手動・電動の種類などが分かれば、あわせてお知らせください。

お問い合わせフォームへ電話で相談する 0120-168-220LINEで写真を送って相談する